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 エルリック。其はメルニボネなる半人類の帝國を統治する若者の名。英国の作家マイケル・ムアコックが半世紀以上も前に生み出したヒロイック・ファンタジイ小説の主人公である。

 正当なるメルニボネ皇統の血を引きながら、白子に生まれ落ち、脆弱な肉体しか持たないかれは、幾つもの妖しい薬物の作用なしではその身を動かすことすらできない。

 しかし、一方でかれは魔術に長け、メルニボネ人が仕える〈混沌〉の神アリオックを呼び出すことすら可能としている。

 あるとき、かれは帝位を狙う従兄のイイルクーン皇子に挑発を受けるが、寛大に退ける。それがやがて大いなる悲劇へと繋がっていくとも知らず――。

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 『エルリック・サーガ』は21世紀のいまなおダーク・ファンタジイの最高傑作として讃えられる傑作小説だ。

 斬り殺した人間の魂を啜る魔剣ストームブリンガーを持ち、その剣を厭いながらもその力に依存する、異形のアンチ・ヒーローとしてのエルリックは、いまもまだ衝撃的なほどの新鮮さを保っている。

 そして、