小山薫堂 幸せの仕事術―つまらない日常を特別な記念日に変える発想法

 イケダハヤトさんの今日の記事がおもしろかった。

僕の価値観と経験では、つまらないと感じたものを無理に楽しむよりは、さっさと見切りを付けて次の選択肢を探す方が有益です。

ゲームひとつとっても、つまらないゲームを無理して突き詰めるよりは、「これは自分に合わなかった」と諦めてもっと楽しめるものを探した方が、人生は豊かになるでしょう。これはゲームに限らず、仕事、映画、音楽、なんでも言えると思います。

 「つまらない」ものから逃げ出そう(http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/17618

 世の中には無数の「つまらない」ものがある。それらを一々楽しもうと努力するよりも、とりあえずそれらから避難してしまった方が効率的だというのだ。一理ある。どうやっても楽しめないものを無理に楽しもうとすることは無理がある。それくらいなら、楽しめるものに労力を費やしたほうが効率がいい。

 もちろん、その時楽しめなかったものもあとでは楽しめるようになっているかもしれないが、それならあとから楽しめるようになっているかどうか試してみればいい。とにかく「つまらない」ものに拘泥することは無意味である。そういう理屈だろう。

 たしかにその通りだとぼくも思う。しかし、完全に賛同し切れないのは「つまらない」状態を乗り越えることによってしか楽しみを見いだせない趣味というものがこの世にはあるからだ。それは難解だったり、とっつきづらかったりする趣味である。

 そういう趣味の真髄を味わうには、やはりどうしても「わからない」「つまらない」状態を耐え抜く必要がある。わからないものを無理して楽しもうとするのはたしかに効率が悪い。しかし、効率だけを考えていると、そういう趣味は楽しめなくなってしまうのである。

 そもそも何にでも「効率」を最優先して考えることが、世界を楽しめなくなる第一歩ではないか。効率を考えるなら、遊んでいるよりも仕事をしていたほうがお金になるし、「無駄」ではないということもできるだろう。