ベストセラー・ライトノベルのしくみ キャラクター小説の競争戦略

 あなたは普段、ライトノベルを読まれるだろうか。仮にまったく読まれないとしても、一度や二度は「最近のライトノベル」に関する言説を目にしたことがあるのではないか。Twitterあたりでこの言葉を検索すると大量に見つかる。

 そのなかにはネガティヴな内容のものも多い。曰く、最近のライトノベルはどれも同じような内容。曰く、最近のライトノベルは昔のような活気をなくしてしまった。曰く、最近のライトノベルは萌えばかりでワンパターン。とにかく最近のライトノベルは退屈だ、といいたいようだ。

 しかし、それらの言説は本当に「最近のライトノベル」を語りえているだろうか。ぼくには「最近のライトノベル」という言葉で語られる言説は大体が「ひと昔前、ふた昔前のライトノベル」を語っているように思える。

 ライトノベルは市場の要求に応えるため、猛烈な速度で劇的に変化しており、数年前のセオリーはまったく通用しない。そ