仮にネット上で「無名だから何を言っても許される」という無責任が通用するなら、犯罪自慢のツイートを上げるどこぞの大学生が退学処分喰らうなんて事例は出てこない。この段階で2000文字近いこの記事の主張は根底から破綻。
テレビなら編集で規制できるし、新聞なら推敲される。そういうバイアスのないメディアがネットであり、だからこそ万人が利用し、万人が発言し、不用意な言動を平気でする人間が炙り出される構図になる。それが「有名人」なら集中砲火される。
そもそも有名な人間に「責任」が求められるのはそれだけの「影響力」があるから。無知で盲目なファンは有名人の価値観をトレースしようとするし、企業の舵取りをする社長の発言はそのまま会社の方針ととられる。他のメディアでも何ら変わらない理屈だが、そこに推敲してくれる他者がいないからネットでは大事になるだけのこと。
あと「ネットの正論」が偏っているように見えるなら、それは声のデカさ＝人数と勘違いしている。メディアリテラシーを論じたいなら、顔も見えない気安さは言葉を凶暴にするだけじゃなく、人数だって簡単に誤魔化せることを理解すべきじゃないだろうか。
不当な批判を浴びて自己の発言の正当性を主張するなら、それ相応の「同情論を誘うパフォーマンス」か「大衆を納得させる言い分」を用意する必要がある。この手の騒動をしでかす粗忽者の大多数はそれすらできないから「黙っていればいいのに」っていうことになるだけ。
『バカがネットをすると痛い目を見る』というのは有名無名に関わらず肝に銘じておくべきことだ。