牛窪恵『「ゆるオタ君」と結婚しよう』読了。
「ゆるオタ君」に偏見を抱いているであろう世の女性たちに、実は「ゆるオタ君」は条件がいいよ、と教示する本です。
そのほかにも色々な意味で「圏外」と見られていた男性たちが出てきて推薦されるのですが、まあ、基本的にはそういう内容。
何を読んでいるんだお前はといわれるかもしれませんが、だって、タイトルが気になったのだもの。
女性目線で「ゆるオタ君」がどのように見られているか、皆さんも知りたいとは思いませんか?
ぼくは知りたいと思ったのだけれど――うーん、結論からいうと知らないほうが良かったかも。
ひさびさに読んでいて苛立ちが募る一冊でした。
いや、このタイトルから内容を推察しきれなかったぼくが悪いのだろうけれど、さすがにげんなりしましたね。
あくまで女性向けの本だと思われるので、男性が読むのがそもそも間違えているのかもしれません。
では、具体的にどういう中身なのかというと、「ゆるオタ君(アイドルオタク含む)」がいかに結婚相手として適切か、縷々綴ってある。
まあ、それはいいとして、ほんとうに「ただそれだけ」であるところがいかにも辛い。
曰く、AKB男は、真面目で博識、ピュアで浮気しない、女性をリスペクトしてくれるし、家事やイクメンに抵抗がない。だから、結婚するならそういう男を守備範囲に入れるべきだ、うんぬん。
一から十まで、条件、条件、条件。相手の個性や人格などまったく問題にしていないように思われてなりません。
当然ながら「AKB男」も人それぞれで違っていて、色々な人がいるはずなのだけれど、この本ではそういうことはまったく問題にされていません。
どこまでもかれらの結婚相手としての条件のよさがくり返されるだけ。
ぼくはひとりの「ゆるオタ」として、褒めてもらえてありがたいと感じるべきなのでしょうか?
ところが、どうしてもそういう気にはなれない。
というのも、結局のところ、ゆるオタだろうがなんだろうが個々人でそれぞれ違っているというあたりまえの認識を一足に飛び越えて、ある種のバイアスを押しつけているように思えてならないからです。
ただ、そのバイアスの種類が「ネガティヴな偏見」から「ポジティヴな偏見」に塗り替えられているところがいまふうではあるのだろうけれど。
「オタク」という言葉が一般化し、「オタク・イズ・デッド」が叫ばれ、「ライトオタク」が増えた結果として、かつて敬遠された「ゆるオタ」もまた結婚相手の条件として妥協できるところまで入ってきた、という話なのだと思います。
妥協。
そう、ぼくのひがみかもしれませんが、どうにも「イケメンとか三高は無理そうだから、妥協してこういう人で満足しておくといいですよ」といわれているようにしか思えないのですよね。
読書メーターにはこんな感想もあります。
よんでいて「とりあえずオタクetcみたいなので我慢しときましょう」「一応は結婚するけどこれは妥協ですよ」的、上から目線でコイツは何様!?と思った。まぁ女性対象の本だからそういう煽り方なのかもしんないけど、世の中の考えが「妥協」という言葉に向かうのは嫌だ。少なくとも男性陣は読まない方がいいかも。
これはこれでおそらく偏った感想でしょう。著者にはそんな意図はないのかもしれません。
でも、
コメント
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やっぱりオタクを下に見てるんでしょう。直接そうは言ってなくても