神山健二監督の最新作『ひるね姫』が楽しみすぎる。
神山健二監督の最新作『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』の情報が発表されました。
『009 Re:Cyborg』以来の劇場映画です。
前々から、「神山監督いま何しているんだろ?」とは思っていたのですが、この映画の準備をしていたのでしょう。
いちファンとしては楽しみなことこの上ありません。
2017年劇場公開ということなので、必ず見に行きたいと思います。はい。
神山監督は出世作『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』から一貫して「正義とは?」、「この社会で正義を貫くためにはどうすればいいのか?」というテーマを描いてきました。
じっさい単純ではありえない問題です。
『攻殻機動隊』ではシンプルに青くさい正義を実行しようとした青年・アオイの行動が模倣され、利用され、拡散していくさまが描かれました。
その続編『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GiG』では難民の英雄となった男クゼの想いが大国の都合で圧殺されるようすが語られています。
神山監督が常に注目するのは、正義をなそうと努力しつづけているにもかかわらず、まったく報われないまま孤独に戦うしかない個人の姿です。
そのテーマは『東のエデン』においてはより先鋭化し、日本を救うため行動したにもかかわらず、その救おうとした人々から裏切られ、攻撃されるに至った滝沢朗の物語が綴られました。
神山監督のこのテーマは、クリストファー・ノーランの『ダークナイト』にも一脈通じるものがあるでしょう。
純粋な正義を求めれば求めるほど、悪として糾弾されなければならないというパラドクス。
神山作品のなかでそれぞれのヒーローたちは傷つき、倒れ、また立ち上がり、しかしまた傷つき――といったことを限界までくり返します。
その悲壮感ただよう姿と、それでもこの矛盾を解決しようと努力する精神性が、神山アニメを無二のものにしているのだと思います。
この正義の矛盾は『009 Re:Cyborg』ではついには主人公・島村ジョーが「答えていただきたい! 神よ!」と神その人に問いただすまでになり、極限まで突き詰められた感があります。
もしかしたら『ひるね姫』でもそのテーマが続くのかもしれませんが、いったん仕切り直してあらたな世界を描くことには意味があると思います。
テーマを深く掘ることにかけては現役アニメ監督のなかでも出色の才腕を持つ人だけに、『攻殻機動隊』や『東のエデン』に匹敵する傑作を期待したいところです。
どうなるかな?
『ひるね姫』は
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