そのブランドのPRを手がけるのが、渡辺和美さんだ。さまざまな職歴を経て、「20代より40代の今が楽しい」と断言する渡辺さんのお仕事ヒストリーを伺った。
渡辺和美さん BCBGMAXAZRIA マーケティング&PRディレクター
国内アパレルメーカーに勤務後、マナー講師や秘書業務を経てPR職に携わる。現在は、8月23日(金)に大阪に新規オープンするショップの準備に奔走する日々。ブランドの公式ブログも手がける。
■キャリアに迷い、転職を繰り返した20代
明るく社交的で、ブランドPRの仕事が天職にも見える渡辺さん。しかし、20代は紆余曲折の連続だった。
もともとファッションに興味があり、新卒で国内アパレルメーカーに就職。販売の現場などを経験したが、4年間勤めた後に「接客の経験を活かして、違う仕事がしたい」と、ビジネスマナー講師に転身した。社員研修で、接客やあいさつの基本を教える日々。しかし4年後に再びファッション業界へ舞い戻る。たまたま見つけた、ヨーロッパ系老舗ブランドの社長秘書のポストに就いた。
「20代の頃は、自分が何をやりたいのか、はっきり見えていませんでした。この時も、『秘書の仕事なら長く続けられそうだな』と、好きなファッションの世界で秘書を選んだんです」
社長秘書を1年間勤め、ようやく慣れてきた頃に、突然転機が訪れる。PR職のスタッフが会社を辞め、その後任が回ってきたのだ。この時、渡辺さんは28歳。
「最初は、なぜ秘書の私が? と思いましたね。相手のサポート役に徹する秘書業務に比べ、PRの仕事は、自発的に動いてブランドの情報を発信しないといけない。今までの仕事とは、何もかもが違いました」
■過去にやってきたことが、すべて今につながっている
身近に仕事を教わる先輩もなく、手探りで始めたPRの業務。最初は、自分で企画したレセプションの集客がうまくいかなかったり、数々の失敗を繰り返したりと、苦戦もした。それでも、数をこなすうちにファッション業界の人脈が広がり、仕事がスムーズに回り始めた。
それ以降は、PRやマーケティング業務に従事。10年以上のキャリアを経て、現在の「BCBGMAXAZRIA」に転職した。
「ブランドPRの仕事は、パーティやレセプションに参加するなど華やかなイメージがありますが、実際の仕事のほとんどは地道な内容です。膨大な商品サンプルを管理して、企画書やプレスリリースを書いて......。それでもここまでやってこられたのは、人とコミュニケーションをとるのが好きだからでしょうね」
また、「過去に経験したことが、不思議と今の仕事につながっている」とも。秘書時代に学んだコミュニケーション力や事務処理能力、マナー講師時代に大勢の人前で話すことで鍛えたプレゼン力。キャリアに悩みながら異業種を渡り歩いた20代、そこで身につけたスキルが、最後には1本の線でつながったのだ。
■40代の毎日を、サラッと終わらせないために
現在は、「BCBGMAXAZRIA」のマーケティング&PRチームのリーダーとして年間の様々な企画を手がけ、ブログやfacebookでも情報を積極的に発信する日々。
そんな渡辺さんは、「20代より今の方が何倍も楽しい」と断言する。
「40代は、公私ともにいろいろな壁を乗り越えてきているから、多少のことがあっても乗り越えられるな、という余裕がもてる。肩肘張っていた20代より、いい意味で『ユルい生き方』ができると思います」
仕事の合間には、「ジョー マローン」のキャンドルやフレグランスでリフレッシュ。特にフレグランスはお気に入りで、デスク用、携帯用、自宅用......とまとめ買いするほど。
40歳を過ぎてから生活改善を始めたという。夜型だった生活を一変し、朝は6時に起床。愛犬の散歩や趣味のガーデニングで体を軽く動かし、週末にはジムで泳ぐ。
自分の現在の年齢を受け入れ、実りある40代を迎えている渡辺さん。「今」を充実させるためのコツを最後に伺った。
「40代になると、仕事もプライベートもうまくこなせる反面、毎日がルーティン化しがち。1日があっという間に、サラッと過ぎちゃう。それを防ぐには、なにか苦労して学ぶものがあった方がいいと思います。語学でもお稽古ごとでもいい。私も、自分なりに新しいことを常に見つけようと心がけています」
BCBGMAXAZRIA 国内最大規模ブティックが大阪にオープン!
8月23日(金)、大阪・梅田のショッピング施設「ブリーゼブリーゼ」に、「BCBGMAXAZRIA」の新店舗がオープンします。国内最大規模を誇る2フロアの店内には、NYコレクションのランウェイラインをはじめ、ドレスからカジュアルアイテム、小物までが充実。8月24日(土)には、「BCBGMAXAZRIA」を愛用する人気モデル・宮坂絵美里さんのトークショーも開催! 詳しくはこちら>>
(取材・文/編集部・田中)