節約。
広辞苑には、「無駄を省いて費用をきりつめること」と書いてあります。お金は使えばなくなってしまうので、支出はだれもが減らしたいハズ。さらに、節約することは良いことと小さい頃から教わり、その教えが大人になってからも心のどこかに潜んでいますよね。
でも、すこし立ち止まって「節約」について考えてみましょう。本当に節約は、いいことなのでしょうか? 本当に節約は、豊かにしてくれるのでしょうか? 節約だけをしていて正しいマネープランを立てられるのでしょうか?
節約が良いという理由を並べてみると、たくさんでてきます。
・貯蓄が増える
・無駄が減る
・老後資金が貯まる
・エコである
・自分をコントロールする力が身につく
でも一方で、節約によるデメリットもあるのです。
・ケチケチした生活になる
・経験値が増えなくなる
・お金を生み出す思考がなくなる
・お金を使わないことばかりを考えるようになる
・主の判断がお金なので、お金に大きく左右される人生になる
・友達にケチと思われる
これらを比べてみると、節約によって金銭的なメリットは得られますが、心理的なマイナスが結構多くあるのがわかります。つまり、「お金は溜まるが、生活のクオリティが落ちる」という循環になりがちです。
例えば、社会人になったばかりの25才の人が、毎月節約をして、手取り給与20万円の内、毎月5万円貯金していたら、社会経験の長い私たちはどう思うでしょうか?
「しっかりしている」「将来を考えている」と思う気持ちも少しはありますが、実はそれだけではありません。
「若いんだからもっといろんな経験のために使ったらいいのに」「思考が柔軟なうちに、たくさんの経験を積む機会が減ってしまうよ」「貯蓄を増やす以外の将来設計もあるのでは」など、思うハズです。
お金を貯めることが、人生の目的ではありません。そのお金を使って、どれだけ質の高いライフスタイルを送れるか、というのが一番のポイントです。そのために目の前のお金というツールを使って、様々な経験をしていきながら成長していくのが、私たち人間です。
お金と上手に付き合うためには、節約はとても大切です。でも毎日毎日節約ばかりでは気疲れしてしまいますので、1ヶ月の内、「今週は節約しない!」という週を決めて、賢くお金を使ってみてはいかがでしょうか?
■節約してしっかりお金を貯めるスキル
■お金を価値あるモノに上手に使うスキル
どちらも、豊かな生活を手に入れるためにはとても大切なスキルになってきます。そして、「しっかり貯めて、賢く使う」という美マネのリテラシーが創りあげられるのです。
【今日の美マネPoint!】
☆節約にはお金が貯まるメリットもあるが、成長が妨げられるデメリットもある
☆無駄なお金は使わず、価値あるお金をしっかり賢く使おう
☆1ヶ月の内、「今週は節約しない!」という週を決めよう
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/泉正人)