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友人や家族ではなく、その道の"プロ"に相談がしたい――。


そんな働く女性のお悩みに答える連載「お悩みキャリア相談室」では、株式会社Waris(ワリス)共同代表、キャリアカウンセラー、ライターでもある田中美和さんが、読者のみなさんのお悩みに答えます。


第20回目のお悩みは......


39歳、管理職です。部下との接し方で悩んでいます。いわゆる"ゆとり世代"の部下たちは、何をやってもマイペース! 訪問先でクライアントに迷惑をかけ、謝りに行くこともしばしばです。


「報告・連絡・相談の"ほうれんそう"を徹底して」と幾度となく働きかけてもいっこうに改善されません。嫌なことから逃げ、向上心もないように見受けられる部下の尻拭いをしていることに疲れてきてしまいました。世代間の差はどう対応したらいいのでしょうか?

【39歳、Sさん、東京都在住、管理職】


"ほうれんそう"できない理由を考えてみて
これ以上ないくらい噛み砕いた指示出しが大切


世代間格差は、いつの時代にもつきものです。私たち30代が新入社員の頃も、40代が新入社員の頃も「イマドキの若い子は......」と眉をしかめる先輩社員はいたはずです。Sさんのお気持ちはよくわかりますが、世代でとらえるのではなくあくまで個別ケースに応じて対策を考えたほうがいいですね。


Sさんの部下は、なぜ "ほうれんそう"ができないのでしょう? 原因を考えてみましょう。1つ考えられるのは、"ほうれんそう"の意味が理解できていないというケース。具体的に言わないと指示内容が理解できないのかもしれません。例えば、「A社からBの件について、Cという連絡が入ったら私まで教えて」などと、これ以上ないくらい具体的に噛み砕いて指示を与えることが大切です。相手が社会人歴の浅い部下であればあるほどそうです。


もう1つ、"ほうれんそう"をすることで、何か怒られるのではないか、などと不信感を抱いているケース。これは、Sさんと部下の方との信頼関係の問題です。相手に嫌悪感を抱いていると自然と相手に伝わっているものです。Sさんのうんざりした気持ちが、知らず知らずのうちに相手に伝わって、相手の態度を硬化させている可能性もあります。


少し仕事の場を離れて、ランチや飲み会などフランクな場で、部下と向き合うことが必要かもしれません。「どんな気持ちで日々働いているのか」「今、抱えている課題や悩みは何か」――ぜひフラットな気持ちで耳を傾けてみてください。


部下を好きになれとは言いません。でも、相手を理解すること、理解しようとすることは良好な人間関係のためには不可欠です。そうした信頼関係が、業務の上で"ほうれんそう"しようとする部下の行動を促すことになります。


部下を育てるのには時間がかかります。でも、部下が育てばSさんの日々の仕事がぐんとラクになります。自分のためにも、ぜひ"部下育て"に注力してみてくださいね。


photo by Thinkstock/Getty Images


(文/田中美和)


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