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緻密、そして巨大。現代ドイツを代表する写真家『アンドレアス・グルスキー』展の圧倒的な迫力

2013/07/08 19:30 投稿

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《99 セント》1999年 タイプcプリント 207×325×6.2cm (c) ANDREAS GURSKY / JASPAR, 2013 Courtesy SPRüTH MAGERS BERLIN LONDON


写っているひとつひとつのパーツは小さなお菓子。それが、99セントショップ(100円ショップのようなもの?)の広い店の奥までぎっしりと並べられた全体で観ると、1枚の抽象画のよう。写っているもの自体はシンプルなのに、その圧倒的な数量にめまいがしそう。これは、いったい何なのか。現代の消費社会への社会的メッセージ? なんて、観ているうちに頭のなかがぐるぐるしてしまう......。

ドイツの写真家、アンドレアス・グルスキーの日本で初の個展が、六本木の国立新美術館で開催中です。


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《ピョンヤン Ⅰ》2007年 タイプCプリント 307×215.5×6.2cm (c) ANDREAS GURSKY / JASPAR, 2013 Courtesy SPRüTH MAGERS BERLIN LONDON


2011年11月に、代表作のひとつである《ライン川 II》が、現存する写真家の作品として最高額で落札されたことでも有名なグルスキー。当時のレートで約3億4千万円だったとか。


パノラマ写真のように俯瞰でとらえ、等価に広がる世界を表現しているのがグルスキー作品の特徴。被写体はさまざまです。モノだったり人だったり自然だったり。上にある《ピョンヤン Ⅰ》では、人がみっしりと集合するようすが壮観! じっと見ていると吸い込まれそうなパワーを感じます。


今回資料を読んでいて初めて知ったことですが、彼は撮った写真を作品に仕上げる際に、写真に写った余計なものを消したり、必要な部分を増やしたりといったデジタル加工を施しているんだそう。それがより作品を緻密なものにしているんですね。


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《カミオカンデ》2007年 タイプcプリント 228.2×367.2×6.2cm (c) ANDREAS GURSKY / JASPAR, 2013 Courtesy SPRüTH MAGERS BERLIN LONDON


会場には、グルスキー本人が厳選した約65点の作品を展示。なかには一辺が5メートルを超す大型のものも。近くに寄って細部を、遠くから全体を、いろんな角度からじっくり味わいたい作品ばかりです。


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『アンドレアス・グルスキー展』公式サイト

会期:9月16日(月・祝)まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木)
開館時間:10:00-18:00 (金曜日は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日
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(文/ミヤモトヒロミ)

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