Photo by 『ハートの問題』
毎年ゴールデンウィークに開催される「イタリア映画祭」。ここで人気の高かった3作品を特別上映する企画「Viva! イタリア」が6月29日から始まります。
イタリア映画といっても、ヴィスコンティやフェリーニといった巨匠のものではなく、ここ10年くらいで撮られたわりと最近の作品。監督やキャストも日本で特に有名というわけではないのですが、それでも映画祭で人気があったということは、それだけ心に残る作品、ということではないかと思います。
個人的に推したいのは、『ハートの問題』。たまたま数年前のイタリアで観て、これが日本で公開決まればいいのになあ、とずっと思っていた作品なので、今回の上映は嬉しいニュース。心臓発作で救急病院に運ばれ、集中治療室でたまたま隣り合わせた2人が主人公。全く境遇は違うのですが、同じタイミングで生死をさまよったことで強い絆が芽生えた2人の、その後を描いたドラマ。ちょっと重たい題材をユーモアを交えて描き、最後に感動させてくれます。
Photo by 『もうひとつの世界』
あとの2本は観ていないのですが、解説を見ているかぎりはとても面白そう。『もうひとつの世界』は、修道女とクリーニング経営者のストーリー。それだけで展開が気になりますが、監督のジュゼッペ・ピッチョーニは『ぼくの瞳の光』という、社会的な弱者を描いた心温まる作品を撮っていて、今回も期待できそうです。
Photo by 『最後のキス』
『最後のキス』は、登場人物たちが恋愛、結婚、仕事といった人生の岐路にたってあれこれ考える、といったエピソードがいろいろと綴られる作品のよう。監督のガブリエレ・ムッチーノは、数年前に話題になったウィル・スミス主演の『幸せのちから』『7つの贈り物』を撮っていて、この夏にはハリウッドのキャストを集めた『スマイル、アゲイン』という作品も公開予定。イタリアとアメリカとで活動中の監督です。
映画祭って、「いい作品あったよ」と誰かに勧めたくても、そのまま公開されない作品が多いので、期間限定でも、今回のような特集があるのは大歓迎! 期間中は、毎日2回、2作品を上映。8月以降は大阪や愛知などでも上映があるようです。
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「Viva!イタリア」[公式サイト]会期:6月29日(土)~7月19日(日)
会場:ヒューマントラストシネマ有楽町
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(文/ミヤモトヒロミ)