先日、アンジェリーナ・ジョリーが遺伝性の乳がん予防のために両乳腺を切除する手術を受けたことが日本でも話題になりましたが、日本国内で「乳がん」と診断される女性は年間約4万人います。(「乳がん.jp」より)。
乳がんは、早期発見と治療をおこなえばより高い確率で完治、社会復帰できる病です。しかしながらネットで手軽に情報を得ることができるようになった現代でも、乳がんに関してはまだまだ理解不足は否めません。どこかで「自分だけは大丈夫」と慢心していませんか? 乳がんに関する知識を深められ、更に予防にも関心を持つことのできる本をご紹介します。
『「乳がん」といわれたら―乳がんの最適治療2012〜2013』(日経BPムック)
最初は『「乳がん」といわれたら―乳がんの最適治療2012~2013』。乳がん治療をおこなう主要な医療機関の待合室には必ず置いてあるガイドブックの最新版です。40代女性が受けるべき検診の内容や、がんに備える保険の選び方、がん治療中も快適に過ごすことのできるメイクやヘアケアのコツなど、乳がんについてのすべてが網羅された充実の内容です。いざという時に心強い存在となってくれる本です。
『おっぱいをつくる! 乳がん転じて美乳になる方法』(マガジンハウス)
続いては『おっぱいをつくる! 乳がん転じて美乳になる方法』。イラストレーターであり、元ナースでもある田中ひろみさんが、乳がんの告知を受け、手術、乳房再建までの激動の1年間を綴ったコミックエッセイです。軽いうつ状態になりながらも「前よりきれいなおっぱいを作る」という目標に突き進む様子は、生と死を扱った内容でありながらもコミカルで、肩の力を抜いて読むことができます。女性は勿論ですが、男性にも読んでいただきたい1冊です。
『モデル、40歳。乳がん1年生。』(ベストセラーズ )
最後は『モデル、40歳。乳がん1年生。』。表紙の凛としたスキンヘッド姿が印象的な1冊です。著者のMAIKOさんはモデルであり、1児の母でもあります。入浴中、左乳房に小さななしこりを発見し、最終的に乳がんと診断。乳房温存術を受け、抗がん剤による脱毛や味覚障害にも立ち向かう姿は辛いものがあるのですが、絶望を希望に変える彼女の前向きな姿勢には、逆に励まされてしまいました。家族や友人が心の支えとなったことへの、著者の感謝の気持ちがページから溢れていて暖かい気持ちになります。
これらは「自分はがんにならない」と思っている方には特に読んで欲しい3冊です。自分の身体は自分で守るしかありません。乳がんの存在を少しでも身近に感じ、予防に努めていきましょう。
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[乳がん.jp]
(文/六島京)