友人や家族ではなく、その道の"プロ"に相談がしたい――。

そんな働く女性のお悩みに答える新連載「お悩みキャリア相談室」では、Women's Career代表、キャリアカウンセラー、ライターでもある田中美和さんが、読者のみなさんのお悩みに答えます。

第10回目のお悩みは......

40代既婚、正社員で育児休暇から復帰したばかりです。復帰後、同年代の同僚女性（40代）の私に対する態度が冷たくなったようで毎日気が重いです......。

産休前は、仲良しとは言わないまでも、それなりに雑談などする間柄だったのですが、今では朝と帰りの挨拶程度で、それ以外は全く口をきいてくれません。業務上必要な会話でも、冷淡な態度を取られているような気がします。

職場は少人数なので、人間関係の空気が悪いといたたまれない雰囲気になります。上司（50代男性）に相談してみましたが、遠回しに「かえって逆効果になる可能性もあるので、自分からは注意できない」と言われてしまいました。

彼女は独身ですし、ひょっとしたら私が育児のために時短勤務をしていることを快く思っておらず、こうした態度につながっている可能性があるのですが......。これから彼女とどのように接していったらいいでしょうか？

【40代、Tさん、首都圏在住、サービス業】

感謝の言葉を意識して多めに伝えて。
業務に影響なければ、「気にしない」のも手。

まず、その女性の不機嫌の要因がTさん自身にあるのかどうか、確認が必要です。その女性は、Tさんにだけ態度を硬化させているのでしょうか？　それとも、部署のほかの方に対してもそうですか？　小さいコミュニティーだからこそ、過敏に反応しすぎないことも大切です。

もし、Tさんにだけ態度が冷たかったとしても、少し観察してみることは必要ですね。たまたま、その瞬間、虫の居所が悪かっただけかもしれません。

時短勤務は、育児・介護休業法で認められた労働者の当然の権利です。ただ実際は、時短勤務の社員の方がいることで周囲に業務のしわ寄せがいくケースも少なくありません。その女性もTさんが推測している通り、不公平感など何らかの不満を抱いている可能性はあります。

ですから、Tさんはその女性に対してことあるごとに「ありがとうございます」「○○さんのおかげで、○○できました」などと、感謝の言葉を口に出して伝えることをより意識されるといいと思います。感謝されて嫌がる人はいません。これは、職場の同僚の方全員に対して強く意識されるといいと思います。

その女性の不機嫌の理由がTさんの時短勤務にあると感じられるのであれば、子育ての苦労話などはしないほうが賢明です。むしろ、「○○の資料、すごく分かりやすかったです。まとめるの大変じゃなかったですか？」などと、相手の仕事を「褒め」て、労力を「ねぎらう」コミュニケーションを日頃から大切にされるといいでしょう。こうした小さな積み重ねで、関係が好転することを目指しましょう。

そうした努力をTさんがしても、依然として態度が変わらないのであれば、業務に支障が出ない限り、「気にしない」のも手です。「同僚」は「友達」とは違いますからね。エネルギーを使いすぎて、心理的に疲れてしまうことだけは避けてくださいね。

photo by Thinkstock/Getty Images

（文／田中美和）

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