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経験を頼りに挑む「服育」という仕事/ビームス スタイリングディレクター 丸山珠花さん【前編】

2013/04/30 21:05 投稿

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「スタイリングディレクターとして、販売スタッフのファッション力を上げてください」。丸山さんが人事担当からそう告げられたのは1年前。40代で、食育ならぬ"服育"という前例のないミッションに挑むことになった丸山さんに、人を育てることの大変さと面白さ、そしてこれからのことを伺いました。


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丸山珠花(まるやまみか)/ビームス スタイリングディレクター  1990 年ビームスに入社。ショップスタッフを経て、1993年にアシスタントバイヤーに。その後、『ビームス 東京』の店長兼バイヤー兼商品企画、『レイビームス』、『インターナショナルギャラリー ビームス』のバイヤー、マーチャンダイザーを経て現職に。


■一人3役こなしたことで自信がついた20~30代


「洋服が好きという理由だけで、たまたま目にした『レイ ビームス』のアルバイト募集に応募。約2年間アルバイトとして働き、その後社員になりました。社員になった翌年に結婚し、専業主婦になろうと思っていましたが、当時は面白いように洋服が売れる時代で。さらに、カリスマバイヤーとして一時代を築いた、現『ビームス創造研究所』シニアクリエイティブディレクターの南馬越がアシスタントバイヤーに抜擢してくれたこともあり、専業主婦になり損ねました(笑)


入社7年目には、ビームス初の女性店長となる。


「当時は社員の人数も少なかったため、ひとり何役もこなすのは当たり前。私も店長、アシスタントバイヤー、商品企画を兼務していました。毎日目の回るような忙しさでしたが、お客様のリアルな声をバイイングや仕入れに反映することができたので、仕事が楽しかったし、自信を持てるようになった時期でもあります」


その後、『インターナショナルギャラリー ビームス』のマーチャンダイザーを2年間担当。そして、ある日突然、スタイリングディレクターを命じられる。


■前例がないから、自分たちの経験だけが頼り


会社員でいる限り、ずっと同じ仕事ができると思ったらダメ。 常に先のことを考えて、1年後、2年後、どうなっていたいか考えておくように。上司からそういわれていましたが、ずっとバイヤー職だったせいか、他の仕事をしている自分が想像できませんでした。だから、販売スタッフをオシャレにしてください、これからはそれがあなたの仕事です、と告げられたときは驚きと不安で泣きましたね


商品を管理する部署から、人を管理する部署への異動。しかも、"服育"というのはビームス初の試み。


「前例がないので、何から始めればいいのかわからない。でも、わからないからといってボーっとしてるわけにはいきません。同じくスタイリングディレクターに任命された同僚と、自分たちにできること、すべきことを必死で考え、まずは2か月かけて全国の店舗をすべてまわることにしました」


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丸山さんの出張マストアイテム。「スケジュール表に全国のショップマップ、そしてスタッフの名簿。これらがないと仕事になりません。各店舗とも駅の近くですが、だからこそロケ―ションが似ていて、実はまだ覚えられていないところも(苦笑)」


1回目は、挨拶と地方店舗の視察がメイン。


「私が販売スタッフだった時代は、ひたすら洋服を買って自分なりにコーディネイトをアレコレ考えて。先輩にダメ出しやアドバイスをもらっていましたが、今の20代は洋服だけでなく、モノをあまり買わないという現場の声を聞き、今何をすべきなのかが少し見えてきました


オシャレを楽しく学べる具体的な施策を服育チームで連日話し合い、いくつかのアイディアを実践するため、丸山さんは再び全国の店舗をまわり始めた。


【後編に続く】


(撮影/田中雅、取材・文/編集部・山崎)


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