---ワインのスペシャリスト、ウィラハン麻未さんがワイン&フード情報をお届けします!---
春野菜が本当に美味しい季節ですね。スーパーや八百屋の店先で愛らしい春野菜や山菜を見ると、うきうきしてきます。そこで今回は、旬の春野菜をおつまみにどんなワインを飲むか考えてみました。
タケノコ時間がない時にゆがくのは面倒くさい時もありますが、やっぱり自分でゆでるのが一番です。先日は、鹿児島のものを買ってゆでてみましたが、絶品でした。
ゆでたタケノコを薄くスライスし、オリーブオイルと塩をかけて食べる。作り方はこれだけです!
タケノコに合うワインゆでたタケノコはアルゼンチンの「トロンテス」という品種にぴったりですが、ほんの少々かぼすのジュースをふりかけると更に相性が良くなるのです。「トロンテス」は、日本の柑橘類(ゆず、かぼす、すだち等)と非常によく合うのですが、そのなかでもかぼすとの相性は素晴らしいですよ!
「トソ トロンテス」
ふきのとう地方によって出る時期に差があるようです。ふきのとうのほろ苦さは、くせになりますよね。天ぷらで相性を見てみました。
ふきのとうに合うワインふきのとうのほろ苦さには、同じほろ苦さが後味に感じられる、フランスのヴィオニエ種を選びました。ワインをマッチングする時は、似た者同士を組み合わせる(同じ様な甘さがある、ボディウェイトが似ているなど)、あるいは全く反対のものを組み合わせる(甘いワインに辛いお料理など)という方法がありますが、似た者同士は合わせやすいです。
「ヴィオニエ・ドゥ・ラ・シタデル」
この「ドメーヌ・ドゥ・ラ・シタデル」の「ヴィオニエ」は、たった1.6ヘクタールの畑でできた葡萄からつくられている貴重なもので、私の大のお気に入りです。酸味と果実味のバランス、ミネラルの含みが素晴らしいワインです。ぜひお試しください!
そら豆そら豆のおすすめの食べ方は、さやをつけたままグリルすること。さやの両面に焦げ目をつけ、火を止め冷まします。あとはさやのなかから空豆を取り出し、皮を剥いて中身を出し、ボールに入れフォークでつぶすだけです。お皿に盛って、上質のオリーヴオイルをかけてサーブします。空豆の風味を生かすため、塩はかけない方が良いです。
焼くのが面倒くさい時は、ゆでても大丈夫ですが、焼いた方がホクホク感がでます。実は、私も忙しい時はゆでてしまうのですが(笑)。
そら豆に合うワイン1そら豆だけではぼそっとした食感があり、口に入れた時にワインと融和しませんが、オリーヴオイルがそら豆の舌触りをクリーミーにし、ワインとそら豆をきれいにつないでくれます。そら豆の甘みには「ゴデロ」の果実味が合います。「ゴデロ」は、今注目のスペイン北部ワイン生産地域の品種です。
「アバド・ドム・ブエノ ゴデロ・ホベン」
そら豆に合うワイン2そら豆の持つ青っぽさとニュージーランドの「ソーヴィニヨン ブラン」が持つハーブ感が良く合います。「ホワイトヘイヴン ソーヴィニヨン ブラン」は、ミディアムボディで豆そのままのウェイトよりヘビーですので、オリーヴオイルをかけることによって双方のバランスが取れます。
「ホワイトヘイヴン ソーヴィニヨン ブラン」
春野菜の味を生かすための、レシピとも呼べないほど簡単な作り方でしたが、ワインとの相性はきちんと計算されていますので、必ずうん! と満足していただけると思います。ぜひお試しを! Bon appetit!
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/ウィラハン麻未)
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