インドのモダンカルチャーの特徴は、長い伝統において培われた高度な技術と哲学を、時代に合わせて柔軟にアレンジする姿勢。まさにファッションシーンも同様で、伝統技術とモダンなセンスを掛けあわせた作品がどんどん輩出されています。
さて、今年3月、首都ニューデリーで「インド・ファッションウィーク 2013秋冬コレクション」が開催されました。
パリコレのような世界のファッションショーと異なり、インドのコレクションはちょっぴりユニーク。人々が民族衣装を日常的に着るために、ランウェイに登場する半分以上がサリーやレヘンガといった民族衣装なんです。
インド産の高級素材をふんだんに使い、職人達が丹精こめて作り上げたサリーは、目にも眩いものばかり。もちろんサマードレスやワンピースなど、日本で着られそうなラインも多数登場。丁寧に作られた一点物を日本では考えられないようなプライスで購入できるのも、インドファッションの魅力の一つです。
以下、ランウェイの中から目立った作品をご紹介。ボリュームがありながらも絶妙なバランス感覚や抜群の色彩センスは、これからの季節のエスノ系コーディネートに使えそうですね。
▼1度は着飾ってみたい、豪華絢爛インド・トラディショナルの数々
▼サマードレスなら日本の夏ファッションでも使えそう
▼真似したくなる色彩感覚とテクスチュア
▼男の象徴ターバンもプリント柄でガーリーに
▼意外なマッチング? 「Anju Modi」のミリタリー調サリー
▼インドファッションを代表する国際的デザイナー、Manish Aroraによるファイナルショー。アメリカの大型フェスBurning Manにインスパイアを受けたテーマ
▼Manish Aroraのショーには、インド人女優ソナム・カプールが登場
photo : Wills Lifestyle India Fashion Week
(文/さとう葉)
さとう葉フリージャーナリスト/エディター。東京の美大で修士号取得後、大学講師やコンテンツ・プランニングの仕事に携わったのち、08年よりインド、台湾に拠点を移動。美意識の文化、植物や天文と人の関わりを軸に横断的な執筆活動を続けている。共著書に『皆既日食ハンターズガイド』(INFASパブリケーションズ)など。