仕事がデキる女性になるということは、「誰かの上司になる」ということでもあります。
それはつまり、部下を育てる責任を負うこと。上司が「育てよう」と思わなくても、部下は上司の影響をよくも悪くも受けてしまうもの。もしかしたら、あなたの接し方ひとつで、部下の今後の成長が頭打ちになってしまうかも......。自分の部下には成長してほしいと多くのキャリアウーマンのみなさん思っているはず!
そこで今回は、上手な部下育てについてご紹介します。
■"言わない優しさ"は部下育てを阻む
部下の成長を願って、あえて、苦言を呈する瞬間がありますよね。部下が失敗した時、問題が発生した時など、場面は様々。誰でも嫌な話はしたくないもの。仕事とはいえ、明るい気持ちで人を叱れる人はいませんよね。
でも、言いにくいことも言わなくては部下が成長しないというとき、どのように相手に伝えているでしょうか。
ある営業職の女性は
「はっきり伝えると泣き出すから、優しく、柔らかな口調を心がける。保育所の先生並みの優しさ」
で部下と向き合っているのだとか。女性は特に、言葉や言い方を選んで伝える場合が多いのではないでしょうか。
■「落として、上げる」この順番がキモ!
ある50代の経営者の方によると
「天狗になっている部下には、浮き足立って失敗しないように、親心から"落とす"。ダメな部分をはっきり伝える。でも、ダメなやつだと落とされ続けるとやる気を失う。落としたのなら、上げる! それが部下とのコミュニケーションの基本」
だそう。つまり、大切なのは、口調や言葉の選び方ではなく、伝える「順番」なのだとか。
その方からうかがったある商談のエピソード。熱く商品説明をする部下の目の前には、困った顔をしたお客様が......。上記の経営者は部下に一喝!
「商品は購入して頂いたけれど、お客様は営業されることにうんざりしていた。商品は売りつけるものではない。粘ればいいというものでもない。営業マンとしては二流」
数千万の商談が成立した喜びに浸っていた部下にとっては、正に「落とされた」瞬間。ショックを受けたのは間違いありません。
でも、落としたままでは、やる気を削ぐだけです。落とした後に
「でも、営業として、情熱を持っているのはとてもいい! 次も、いい結果を期待している」
ときちんと評価した部分を伝えたそうです。
最初にストレートに「何が問題なのか」と苦言を伝える。そして、問題点を伝えた後に、「期待しているから言っている」など、部下を上げる部分を伝えること。この、「落として、上げる」の順番で部下に伝えると、「期待されている」事実を印象づけて会話が終わるので、部下育てには効果的。
仕事はひとりではできませんよね! 部下が育てば、あなたの業務もはかどる上にあなた自身の評価も上がるかも!?「落としたら、上げる」を心がけて、部下と接してみてはいかがでしょうか?
(文/岡田愛香)
岡田愛香大学院卒業後、銀座のクラブホステスになるという異色の経歴の持ち主。「銀ホスライター」として、老舗クラブで磨いたコミュニケーション術&営業テクニックを、悩める働く女性たちに向けて紹介。恋愛・結婚・出産など女性にとって身近な問題を研究し「今よりちょっとだけ人生を豊かにする方法」を提案しています。