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大人になった今でも、こころの宝箱に絵本がそっとしまってある人へ。今だからこそホロリとくる最近の絵本3選

2013/02/22 16:04 投稿

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仕事に追われて慌ただしく過ごした1日の終わり、子どもを寝かしつけるために読み聞かせた絵本に、大人の自分もふと心が癒される......そんな経験はありませんか? 良質な絵本は、大人の心にも響くものですよね。


でも「たまには絵本でも読んでみたいなー」と思っても、子どものころから親しんでいるロングセラーの作品以外はよくわからない、という人、案外多いのでは? 今回はここ数年出版されたなかで、大人にこそおすすめしたい絵本をご紹介します。


 
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『あさになったのでまどをあけますよ』(荒井良二/偕成社)

あさになったのでまどをあけますよ」という言葉とともに、さまざまな場所の朝が描かれます。山の村、大都会、海の近く。どこにいても、朝は平等に訪れるということや、朝を迎えられるというあたりまえの幸せを再認識させられます。


そして繰り返される「だからぼくはここがすき」という言葉にも強くて温かいメッセージを感じます。


作者の荒井良二さんは、この絵本を被災地への思いを込めて描いたのだそう。どのページも色鮮やかで、本当にきれい。ずーっと眺めていたくなる1冊です。


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『ルリユールおじさん』(いせひでこ/講談社)

「ルリユール」というのは、人の名前ではなく、職業。フランスの「製本の職人」をさすのだそう


大切な植物図鑑がバラバラになってしまった女の子が、「ルリユール」のおじさんを訪ねる、という話。おじさんの仕事場で、製本の過程を見ながらの女の子とおじさんのやりとりは、ほほえましくてうらやましくて。本を愛する登場人物たちと、それを描いた作者の気持ちにジーンとなってしまう話。


ルリユールおじさんによって生まれ変わった本も、ストーリーの結末も素敵です。


Amazon - ルリユールおじさん


 
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『アライバル』(ショーン・タン/河出書房新社)

コマ割りされたようなセピア色の絵が続いて、そこに描かれるのは、家族を置いて移民として大陸に渡った男の話


見たこともない不気味な生き物や食べ物にびくびくしつつ、徐々に慣れていくようすは、未知の土地で生きるという肌感覚をイメージさせます。


つらい過去を背負ったもの同士が優しくなれるのも、移民ならでは、なのかも。文字はありませんが、表情などの描写がとても細かくて、たくさんのドラマが読み取れます


良質の映画を観終わったような深い感動に包まれる1冊。絵本には、こういう表現もできるのだ、という発見があります。


Amazon - アライバル


 
どの本にも、大人になった今だからこそ、心に沁みる表現がたくさん含まれています。ぜひ手にとってみてください。プレゼントにもおすすめです。


(文/ミヤモトヒロミ

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