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明治の煙草王が築いた洋館で、英国式アフタヌーンティーを。

2013/02/15 16:32 投稿

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photo by 長楽館 公式サイト


京都は東山。八坂神社を抜け、枝垂桜に誘われるように円山公園をそぞろ歩いていると、その一画に豪奢な門扉の洋館が姿を現します。「京都に洋風建築」とは意外な気がしますが、そのたたずまいは悠久の歴史を刻む東山に溶け込み、訪れる者全てに心揺さぶる感動を与えます。


洋館の名は「長楽館」。明治時代の実業家、村井吉兵衛は日本初の両切り紙巻き煙草を製造・販売し財を成しました。「煙草王」とも呼ばれたその彼が私財を投じて建築したのが長楽館という名の迎賓館です。かの夏目漱石の日記にも建設当時の様子が登場します。また、京都の公家出身でありながら第12、14代内閣総理大臣を務めた西園寺公望は、森鴎外など著名な文士を長楽館に招き「雨声会」というサロンを主催しました。


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photo by 長楽館 公式サイト


歴史の教科書にもしばしば登場する鹿鳴館をもしのぐと称された長楽館ですが、現代ではホテルやカフェ、レストランとして生まれ変わっています


レストランはイタリアンの「Ristorante CORAL」とフレンチの「LE CHENE」。それぞれ、ディナーだけでなくランチも楽しめますので、どちらにしようか迷ってしまうのが悩みどころ。


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photo by 長楽館 公式サイト


一番のおすすめは、アフタヌーンティー。実は私も1度いただいたことがあるのですが、上品で優雅な時間を過ごすことができ、至福のひとときでした。かつて応接室として人々が集ったロココ様式の「迎賓の間」は、アフタヌーンティーのお客様専用のお部屋。


素敵な調度品に囲まれながら、英国式のアフタヌーンティーが楽しめます。ティースタンドには、美味しそうなスコーンやサンドウィッチ、ケーキが並び、仲間との会話も弾みます。


ホテルは客室わずか6室ですが、お部屋ごとに厳選した家具が並び、冬は暖炉に火が入ります。北欧デンマーク製の大きな窓からは東山三十六峰だけでなく、円山公園の枝垂桜や知恩院、平安神宮の大鳥居を一望できるそうですよ。


文豪や政治家も愛した長楽館。優雅で上品な時間を過ごしたい方は是非1度訪れてみてはいかがでしょうか。


長楽館 公式サイト


(文/六島京)

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