美術館で開催される特別展は、本物の名画や彫刻を間近で鑑賞できるまたとないチャンスです。遠い異国の地より海を渡って運び込まれる貴重な美術品は、1度でいいから実物を自分の目で拝みたいと思うものですよね。
そんな「本物をこの目で確かめたい」という常識を打ち破った画期的な美術展が、京都大学総合博物館で開催中です。何と、名画が実物大でデジタル再現されているんです。
「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム」と銘打ったこの展覧会は、芸術の都、イタリアはフィレンツェのウフィツィ美術館所蔵の名画を最先端のデジタル技術で細部まで再現したというもの。吉田神社の節分祭りで賑わう中、さっそく会場の京大博物館まで行って参りました。
館内は比較的空いていて、絵画をじっくり鑑賞することができました。展示されている枚数は少ないものの、高精度の実物大レプリカなので通常の展覧会と違ってガラス等の遮る物がなく、絵画の直前まで近づいてじっくりと堪能できました。
レプリカは、これらが「本物」と言われれば疑うことなく信じてしまいそうな再現度。レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』やサンドロ・ボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』など、筆致の細部まで再現されていて、今までにない科学技術と美術の融合に感動してしまいました。「科学技術もここまで来たか」と驚くこと間違いなしです。
イタリアまでのご旅行を考えていらっしゃる方は、京都でこのデジタル再現名画をご覧になった後、現地まで行って本物と見比べるのもアリですね。3月17日(日)までなので、お早目にどうぞ。
京都大学総合博物館 平成24年度特別展
「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム」2013年1月16日(水)~3月17日(日)
一般400円、高校生、大学生300円、小学生・中学生200円
[ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム ― 京都大学総合博物館]
(文/六島京)