菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>7

 この本はめづらしく原書で読みましたが、コニーケイの発言は、ロックンロール側には有名だったみたいですよね。

 これはあちこちで発言してきましたが、パーカーがミントンズに現れたんで、ビバップはラボ化しましたが、チャーリークリスチャンとディジーギレスピーが2TOPだった一瞬のとき、客席はロックンロールの客席以上の状態でしたし、ロックンロールとジャイヴは、白人の言葉か黒人の言葉かの違いで、同義だと思います。パーカーはジャイヴを聞いて「コードが3つしかない」と言って服毒自殺を図りました。ギレスピーはもともとジャイヴ出身です。

 ロックンロールは、カントリーとスピード(アンフェタミン)の音楽で、長距離トラックの運転手の脳内を現実化したものと言われており、僕はその説を支持しますが、これを図式化してまとめると

 ある音楽マイナスのアフリカンセンスがロックンロールで、同じある音楽プラスのアングロサクソンセンスがロックンロールということになります。「逆だこりゃ」案件ですが、アフリカンセンスの方に知性が宿っており、アングロサクソンセンスの方に反知性が宿っていたことですね。これは簡単すぎる図式ですが、体感するには、ビーバップとロックンロールを死ぬほど聴かないといけません。MJQはビーバップ言語の中に対位法を最大限取り入れ、クラシカリズムを押し出しましたが、パーカーのやり口は和声法で、対位法の帯を切断しながら飛び跳ねることにしかしませんでした。ここが素晴らしい。

No.14 21ヶ月前

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