菊地成孔(著者) のコメント

userPhoto 菊地成孔
(著者)

>>20

 わかりずらくてスミマセン笑、ご覧いただければたちどころにご理解頂けると思いますので笑、東宝DVDコンテンツ部に代わりまして感謝いたします笑。

 マジックリアリズムは、昔日の「エキゾチズム」と似て、観る側の視点の中にだけ存在しますよね。エキゾが古式ゆかしくなってしまったので(誰でも世界中に行けるようになったので)、マジックリアリズムと呼び換えているように思えます。ガボもリョサも「そのまま」を書いたのだと思いますし、タンザニア人が日本のアニメを観るとき、おそらく感じているのはファンタジーよりもマジックリアリズムに近ような気がします。

 僕の音楽は、ご説の通り、非常に遠い場所にあります。それが人間と音楽との距離だと僕は自然に思っているのですが、自然だと思うと同時に、果てしないほどの距離感も実感してるので、それが僕固有のものなのかどうかは僕にはわかりませんが、ブルーノート東京でのぺぺのライブ動画に付いた、スペイン語のコメントを、拙訳してみました(意訳に近いと思われます)。

<東洋の人々が西洋音楽を前衛的であると解釈し、作曲、演奏する方法の幅広さは信じられないほどです。たとえば、ヒロメ市場のそれのように、西洋人は東洋音楽を吸収するのがはるかに難しいと感じています。少なくとも私はその認識を持っています>

 僕の尊敬する呉智英の本にも、投獄中にロシア語を(読書や映画鑑賞などを介さず=投獄者なので)完全に習得する男の話が書かれてます。呉智英は「恐るべきことに、それは妄想のロシア語ではなく、現実のロシア語なのだった」とし、言語と妄想の関係を考察しています。なんでロシア語なんでしょうね。僕は極めて稚拙なドイツ語と韓国語を、ほとんど学ばずに東京で習得し、ほぼ完全に忘却しました。そしてそれは、とても自然な経験でした。

No.22 31ヶ月前

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