虎山 のコメント

 タイガースではなくて後藤さんの話題なのですが、いつか菊地さんがラジオで「野猿のなかでは『ファーストインプレッション』がアーバンな曲として一番優れている」旨を仰られていて、当時の僕は、ああ野猿は好きだリアルタイムで見ていたし。それにあの歌もサビが2つあるみたいで好きだった。などと思いながら、そこでその曲の作曲者と言われていた後藤さんのことを初めて認識しました(いま思うと、不勉強というか世間知らずにもほどがあるのですが)。

 それであらためて『ファーストインプレッション』を聴いたら秋元さんの作詞はもちろん、第1主題と第2主題がありその上で再現部がない、のでロマンティックになりすぎていないし2つの主題が合体しないところが歌詞とも一致している、みたいな構造が楽曲のすべてと総合的に一致していて素晴らしくてたまげました。

 その後に野猿の他の曲を聴いたら、ベースがもう恐ろしく動いていて(笑)そこでベーシストとしての後藤さんを知りました(と共に、プロの作曲家の、スタジオミュージシャンで生き抜いた人の演奏力/アレンジ力のすごさというか、それと対照的にいまでは誰でもやるようになったDTMを作る人々のベースアレンジの弱さも知りました)。そのあとに後藤さんがどれだけの作曲者であるのかを知ってまたたまげました。

 後藤さんのベースプレイはテクニカルなロックスタイルも、R&Bも歌謡曲もいけてすごいのですが、野猿の中後半からベースプレイが抑え気味になり(『ファーストインプレッション』の次、まだ売り上げがあったというかCMのタイアップもすごかった『チキンガイズ』から)、それと共にCDが(それまでと比較して)売れなくなり解散(ただ最後のシングルではベースプレイは抑えていない)した、という流れがあると僕は思っているのですが、その部分も凄いなぁと思っています。

 岸部一徳さんは俳優としてのお顔も声もすぐに思い浮かび、どこかで読んだ後藤さんに関する文章にもお名前が登場したことは記憶しておるのですが、そこまでの演奏家のかただとは存じ上げませんでした……。と思い菊地さんが言及されておられるタイガース再結成ライブの映像を観ました。いやもうほんと芯のあるベーシストもベーシストですごいですね。一徳さんはどっちもできるけれどその一方だけをやる、という選択をされたタイプのかただったのですね。衝撃を受けました!

No.7 48ヶ月前

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