菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>28

 あくまで個人的には。ですが、IGGYとFSPH、フィオナ・アップルはかなり良い作品だと思います。FKAはやや「入信後」感が強く、リズムが複雑だったEPよりも、歌を聴かせる形の洞穴型のリズムがあんまり好きになれませんでした(映像は相変わらず凄いですけどね)。僕はビョークが嫌いですが、ちょっとビョーク化に傾いたかな、と思います。とまれ、おっしゃる通り、音楽は(コレは当然ですが)、こういう時代なので、どんどん良くなっており、豊かですね。映画のチョイスの部分は流れるようなライムと内容で本当に素晴らしいですね。

 100gecsは、パッと聴きのディストーティヴやヴォーカルトラックのシンセ化、ルック等々、一般的なフックは、全てに既視感があり(プロディジーとか)、好みに還元すれば嫌いではないですが、やはりあのチームが優れているのは、、「我々は完全にDTMです。DTmは森羅万象、あらゆる音楽を包括します」という、吹っ切ったアティテュードに則った、新しいミクスチュアの可能性を見せたことだと思います。

 ただ、僕は「家で制作しているときは静か(脳でやっている)」、な人が、一転して「ライブのようになると、キチガイみたいにトランスする」という、脳と肉体の二極化、分裂化(これ、一般的になりつつありますよね)は、人類の進化の形、というよりもギリギリで(何かの)暴走と捉えており、快感が起こりません。フレンチキウイジュースぐらいが素敵感ですね。これまたもう古いですが。ジェイコブコリアは躁病質で、幼児退行型の天才赤ちゃんミュージシャンだと思いますが、100トラックも見せられて、ハイになってガンガン説明されると、子供のお守りをしてるような気分になり、辟易します(笑)。音楽に豊かさがなかったら聴くのをやめると思います笑。僕、「カオス」とかよく言われるんですが、基本的にミニマルが好きです。何でも。




 

 

No.29 55ヶ月前

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