菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>2

 細かく見て(聴いて)頂いてありがとうございます。僕はネット批判ばっかりしてますが、勿論これは状況主義的な側面もあり、ネットの有効性は各々が見つけて、核エネルギーみたいに平和利用すれば良いと思うんですが、やっぱネット、特にSNSが失ってしまうのは「客」と「店」、「招く」と「招かれる」関係だと思いますし、「喧嘩」の概念も「炎上」(=火災)に取って代わられるように、敷居が液状化してしまうことで、礼儀作法に代表される古き良き慣習がなくなりますよね。
保育園に似てます本当に。

 僕はもうおじさんなので、客人としての振る舞い方、店主、店員としての振る舞いが体に染み付いているので、それがそのまま仕事に反映されているだけで、客人はやっぱり、家主の度量を測るような行為を、ちょっとだけしないと面白くないですし、それを家主は引き出すべきなのね。他の人は知りませんが、僕はそう心がけています。

 論争の液状化も同じで、「炎上」という概念で全ての論戦を収納してしまうと、「喧嘩」ではなく、火災になってしまう。火事も喧嘩も江戸の花ですが、火事と喧嘩は漫画とゲームぐらいは違うと思います。喧嘩は基本的に売買なので、誰が売って、誰が買ったか、買わなかったか、という交換が面白いわけですが、SNSの論争は、ただ衆目が炎のエネルギーに浸るだけですよね。ただまあ、今や戦争も液状化してるので、ネットは人類を牽引しているのではなく、これではまるでトートロジーですが、ネットは人類が生み出したのかもしれませんね(ウイルスを生物兵器とする妄想論の構造ですよね。僕はウイルスは人間が生み出したのではなく、人間の好敵手として神が生み出したとしか思えません)。

No.7 55ヶ月前

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