菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>11

 これは僕の推測にすぎませんが、これは本末転倒というか、アーティストがどう振る舞うか?という事に拒否反応が生じているのでなく、コロナ騒ぎそのものにモヤっとした拒否反応が生じているのがそもそもの原因で、アーティスト(や政府、や各セクション)の対応は結果だと思います。原因ではなく結果に苛立つ、というのは、誰もがする一種の誤謬ですね。

 もしコロナが、エボラ出血熱みたいな、要するに現代のペストのような死病で、政府がそれを隠蔽していると、今、地球が破滅しかかっている。もう隠しきれないので、発表されてしまった。とします。そしたら、アーティストはライブヴューイングするかどうかもわからないし、そもそも何をしようがモヤモヤもしないとお思います。地球が破滅しかかってるんだから笑。

 一方、コロナが、実は大した事ない(最大に振り切って、「実存しない」)新型風の一種で、IOCをはじめとした各セクションが、ここんとこ負けが込んでる(経済効果がマイナスにばっかり出てる)近代オリンピックを、次の東京大会ぐらいは成功させたいと。そもそも、オリンピック開催には国会にプラスの経済効果がもたらされるという伝説を作ったのは64年の東京なんだから、東京がコケたらもうおしまいだと、なので映画のサスペンス効果みたいに、東京大会が中止になるかもしれない、、、、という流れで、世界的に協力して、6月ぐらいまでにハラハラさせておいて(同じ都市で大会が2度中止になるのは初めて。大会が疫病で中止になるのも初めて)、7月になったら、天然痘みたいに絶滅宣言して、機器を超えた行われる大会だという演出でブチ上がりたいだけだと。それに、なんちゃない新型の風邪菌を利用したと。そしたら、そもそも、催し物はここまで中止されないでしょう。

 中国が叩きやすくなっている事、新しい光景を見させられる事、政府主導で事が一方的に決まり、SNSで腰抜けた国民はモヤモヤするだけであることが確認された事、アメリカがもし恐慌を起こしたら、経済人であるトランプがどう出るか、シリアスな注目を浴びるステージが着々と準備されている事、等々、きな臭いといえばきな臭くなくもないこの騒動ですが、僕は令和という、3枚目のアルバムの1曲目として、楽しく聞いています。あくまで僕は無観客のライブ配信を特に何とも思いませんが(というか、新しくて面白いなあ。と思っています)、あんなもん、配信なんて道具を発明した段階で、とっくに想定内の事態ですよ。ライブが配信されて、途中で「ここから先が見たかったら課金を」というクレジットが出ていた時代のが数倍イライラしました笑。

 

No.12 56ヶ月前

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