どうも、
管理者のNDです。

1月31日は、
弟子屈地震から60年です。


この地震は、胆振東部地震が発生するまでは北海道の内陸で発生した地震では、
最大規模を1967年に記録していた弟子屈での地震です。
道東ではもともと根室半島沖南東沖など、太平洋側の沖の地震が多いですが、
この地震は珍しく、内陸の地震でした。
名前のとおり、弟子屈町中心に被害があったほか、2kmに渡る地割れを観測するなど、
爪あとは確かなものとして残りました。
また、M6.3の地震のあとに更にM6.1の地震が起きるなど、地震活動もそれなりに活発で、
道東の内陸地震としては珍しい地震活動と言えました。

ちなみに、この地震の9日前にあたる1月22日も実は弟子屈町などを中心にM5.6の
やや強い地震を観測しており、更に1965年にはM6.5の地震を観測するなど、
北海道全体では珍しい内陸の地震ですが、
この付近ではたまにM5を超える地震が起きているようです。

今回は、
「市町村別震度の盲点」をテーマにお伝えしていきます。

防災上というよりは、情報の知り方として気をつけてもらいたい点でこれが存在します。
東京や埼玉のような小さい市区町村であれば別に問題はないのですが、
合併してできた政令指定都市や、離島を含んで合併している市町村などがある時、
地震情報で日々提供される震度には、ブレが生じることがあります。

各地の震度では、基本的に市区町村別で発表してくれていますが、
気象庁が定めた地震計は、平成大合併前の市区町村に最低一つ存在しているため、
例えば合併が盛んだった広島や愛媛は、同じ市に10以上存在するといったこともあります。
極端な話ではありますが、
鹿児島県の薩摩川内市では、甑島が震度3で九州本土が震度0であっても、
薩摩川内市全体が震度3として記録されます。特に姶良市との境界まで行くと、
かなり環境も変わりますから、体感震度によっても大きな違いが生じてきます。

同様に愛媛県の今治市では、菊間町と大三島町ではかなり差が出てきます。
もっと言うと、もともと面積が広い市町村では、ひどい場合には全く揺れていないところと
かなり大きく揺れたという大きな差を生じることもあります。
浅い震源の場合にこのようなことが多くなり、特に火山性地震では顕著に見られます。

最近の事例であったのは、箱根山の地震で非公式の震度計が5弱を観測していたにも関わらず、
気象庁公式の観測震度は全て震度1以上はなかったと、実に5階級以上も差があります。
このように、地震のメカニズムと市町村の面積の違いによって、大きく異なることもありますので
地震情報を活用するときは注意し、しっかり最寄りの震度を調べたい場合は、
気象庁公式ホームページから各自でご確認ください。

ちなみに当放送では、質問されればピンポイントでお答えすることはできますが
全ての情報をお知らせすることは、あまりに長すぎる地震情報になるのでしません。
また、リスナーが詳しい震度の情報を全て提供することも禁止しています。
※一人の質問に一箇所の地点答えるとか、そういうのは構いません。

震度は、マグニチュードと違ってRPGで言うなら、いわゆる"受けたダメージ"にあたります。
規模という名の威力が強くても、
離れていれば減衰しますし、防御力(地震で言うなら地盤)が高ければ、震度も低くなります。
震度の仕組みが理解できないと、時々熊本県で震度7と言われて、実際にその地域では
震度4だったのに、「俺震度7経験した」などという、自覚のない嘘が発生しますので
ご注意ください。

今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

明日もどうぞお楽しみください。
尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。