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【自然災害メモリアル】第080回:日向灘地震(1941)の日 [防災]地震再来間隔

2018/11/19 21:00 投稿

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  • シリーズ:自然災害メモリアル
  • BSC24
  • 防災
  • ND
どうも、
管理者のNDです。

11月19日は、
日向灘地震(1941年)から77年です。

これまでに紹介してきた日向灘地震同様、今回の地震も分かりやすく言えば、
宮崎県の沖を震源とした大地震です。規模はM7.2でした。
しかし、熊本県の人吉市で被害が大きい報告があがるなど震源から近い場所が
必ずしも大被害というわけではなかったようです。
尚、日向灘の沿岸は複数地点で軒並み1mの津波を観測しています。
今回の地震で、死者は2人出ています。
日向灘の地震間隔はM7級だと20~30年間隔なのですが、今回の地震は
前回の1931年の地震からわずか10年で再来しました。

今回は、
「地震再来間隔」をテーマにお伝えしていきます。

プレート境界地震をはじめとする大きな地震にはある程度周期的に起きていることが
これまでの地震活動で知られていますが、ほんの百数十年の文献と
数千年の地層からでは限界がいくつかあります。地球は46億年これまでに歴史を刻み、
日本列島は数百万年前からほぼ現在の形となっています。また、絶えず大陸は動いているだけに
大地震がその時と同じ間隔でいつもやってくるとも限りません。環境は不変ではないからです。
まずはそのことを留意して、地震の再来間隔という情報を活用してください。

一般的に知られている地震の再来感覚は、
プレート境界型地震が百数十年~数百年間隔、一回り小さいと数十年などスパンが短くなり、
直下型地震などを引き起こす断層型地震は、数千年~数万年という周期で発生します。

しかし、実際にこの周期を活用するにも様々な問題が生じます。
まず、この再来間隔はあくまで同じ場所での周期であるので、同じ再来間隔の活断層が
付近に10あれば、当然●●で大地震起きたからもう数千年は地震が来ないというわけではないです。
同様に、プレート境界型地震などは、領域が広いので活動が一部で起きたからと言って
その境界はもう数百年活動する見込みはないというわけではありません。
故に、●●県で大地震が起きたからもう●●県は数十年安心 とは限らないということです。
現に新潟県では新潟地震を始め、新潟県中越地震、さらに新潟県中越沖地震も受けています。
プレートの境界や活断層が多い所では、このように大地震の後、すぐに大地震が再来する可能性も
否めない為に、プレートや活断層の再来間隔を鵜呑みにしないようにしてください。

安心しきる面で再来間隔に気をつけろと言われると、それだけではありません。
再来間隔はあくまでも目安にしか過ぎないのです。
過去に数回同じ間隔で起きているからと言って、今後もそのような傾向で来ることまでわかっても、
所詮は推測の範囲ですので、保証・確証がありません。
大地震を引き起こしたことで、その周辺は安定的な地質になって落ち着きを取り戻す
可能性も考えられます。マグマの供給などと色々関わっては来ますが、
日々のマグマは我々の地下で絶えず動いています。そのマグマの質と量だけでなく、
地質の環境や、コンディションによっても起きやすい・起きにくいは変わってきます。
再来間隔が過ぎたところで、分散の値は非常に大きいので2倍近く離れていても来ないことは
この地球上では珍しくないことを知っておくと良いです。

特に、時々放送に来て再来間隔を淡々とコメントしている人がたま~に来ていますが、
その再来間隔を知らせたところで何になるかを今一度考えてください。
防災の啓発は、当放送の存在だけで十分に機能していますので
契機を持ち込まなくて大丈夫です。

人が推測した地震再来間隔の2倍3倍と時間が流れても
エネルギーは結局同じだったこともザラにあります。
逆に半分の時間だったとしても、想定レベルより上の大地震が起きてしまうこともあります。

地震発生確率を知ることは人類にはもはや困難な領域です。
参考程度に扱うのは人の自由ですが、裏切られるのがオチですから
結局は過去の活動を気にせず、これから起きる未知なる活動に向けていつ来ても大丈夫なように
日々備えておくことが最善なのです。

今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

明日もどうぞお楽しみください。
尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。

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