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本当に実践的な有料ブロマガで購読者数を伸ばす方法(夜間飛行 井之上達矢)

2013/08/30 09:02 投稿

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  • 井之上達矢
  • 伸ばす方法
  • 2013年08月30日号
第3回 Q&A記事のツボはどこにある?


ほぼすべての人気ブロマガにはQ&Aコーナーがある

堀江貴文さんの『ブログでは読めない話』津田大介さんの『メディアの現場』藤沢数希さんの『週刊金融日記』松尾スズキさんの『のっぴきならない日常』などの総購読者数が4桁あるいは5桁に乗る人気ブロマガのほとんどすべてが、Q&Aを採用しています。
(それぞれ購入ページのリンクをお願いします)

これは、第1回の記事で書いた「メルマガ・ブロマガで支持を受けるためには、読者との距離を詰めることが大事」という話ともつながっています。

ビジネスのやり方、マスコミでは読めない踏み込んだ社会問題解説、恋愛工学の一般理論……。それぞれ興味深いテーマですが、「読者との距離を縮める」という点では、それぞれ読者が抱える問題について著者が直接答えてくれる「Q&A」には敵いません。


「1対1でつなぐツール」だけでは足りない

ただ、Q&Aを「著者と読者を1対1でつなぐツール」とだけ考えるのはオススメできません。

メルマガ・ブロマガは「一人の読者」を大事にするメディアです。ですから、ツイッターでもコメント欄でも、著者にアクセスしてきてくれる人にはできる限りの対応をすべきです。それなのに「著者と読者を1対1でつなぐツール」とだけ考えてないほうがいい、とはなぜでしょうか。

それは、「Q&Aコーナー」は、あくまで有料コンテンツ内の記事だからです。そのつながった「一人の読者」以外の人もお金を払って読んでもらう記事だからです。ここを意識できているかどうかで、購読者増につながる「Q&A」になるか、文字数の水増しを疑われるだけの「Q&A」になるかが変わってきます。

何をお前はズレたことを言っているんだと思う人もいるでしょう。「有料コンテンツ内の貴重なスペース、忙しい著者の貴重な時間を使うことに「価値」があるんだ。他の読者にどう思われようと「一人の読者」だけを考えて真摯に答えてやればいいんだ」と言う人もいるかもしれません。

それは、私も基本的には正しいと思います。ただ、現実に成功しているメルマガ・ブロマガの「Q&A」は、単なる「私信のやりとり」にはなっていません。
そこでは何が起きているのか。「場」が作られているんです。もっとベタに言えば、「自分の他にどんな人間がこのコンテンツにお金を払っているのが見える場所」になっているのです。


「誰が読んでいるのか」を伝えることが大事

ではここで、メルマガ・ブロマガ界で、「Q&A」コーナーが最高に熱いと言われる『週刊金融日記』の例を見てみましょう。

<藤沢数希の『週刊金融日記』8月19日配信号より>

藤沢数希の身もフタもない人生相談

読者からの質問
<下半身不随の障害者で彼女はいますがセフレがほしいです>

藤沢先生

いつも楽しく拝読しております。

以下、私のスペックです。
・20代後半
・会社員(年収600万円)
・見た目は恐らく中の下程度
・障害持ち(下半身不随のため、車椅子を使っています。)

現在、特定の彼女はいますが、遊べるうちに遊びたいと思っています。
ですが、上記の障害のため普通のセックスが出来ず、セックスする場合は愛撫とおもちゃを使っての行為のみになります。
(私自身は、これで満足しています。)
このような相手を遊び相手として選んでくれるような女性と知り合うのに、最適な手段をご教示願えませんでしょうか?
また、もし藤沢先生が同様の障害を持っているとしたらどのように女性を口説くか、お聞かせ願えれば嬉しく思います。

よろしくお願い致します。

―藤沢数希の回答

ご存知のように、乙武さんは五体不満足でかなりモテてますからね。

『乙武洋匡イタリアン入店拒否事件―もうひとつのサイド・ストーリー』

やり方次第だと思います。

(略)

……というのも悪い戦略ではないと思います。

Good Luck!

……………

読者からの質問
<レベルの低い女子で童貞を卒業することに躊躇しています>

藤沢様

匿名希望です。
初体験の思い出は一生続くということを以前何かの映画で観て以来、レベルの低い女子とはじめての経験することに非常に躊躇してしまう、童貞の悩み相談です。
人生における初体験の重要性は大きいのではないかと思っているのですが、最初の女性はなるべく性格含め、レベルの高い女性と行った方が良い気がしています。
バックナンバーを読むと誰でもいいからお願いしてさせてもらえばいいとあったかと思いますが、なんだか普通の人生を歩みそうで怖いです。
とはいえもう二十歳も越えたし、人生の成功と初体験の関係なんてどうでもいいのかもしれないと思いはじめています。
最初に失礼ながらレベルの低い子とやって、徐々にレベルをあげていくのがベストなのでしょうか?
御見解伺えれば幸いです。

悩める20代童貞より

―藤沢数希の回答

レベルの低い子でも、悩める20代童貞さんとはなかなかセックスしてくれないでしょうから、そもそも選択肢はありません。
(略)
…にどんどんアタックして下さい。
以下のバックナンバーが参考になると思います。

『週刊金融日記 第66号 元童貞から童貞の読者へのアドバイス』

Good Luck!

…………

読者からの質問
<ハイスペック女子とのアポ取りについて>

藤沢先生、いつもお世話になっております。
何度かご質問させていただいており、先週もご回答いただきました35歳個人事業主ベジットです。
ご回答通り、射精できない原因はお酒ともうわかっておりますので、飲み過ぎたときに本番ありの風俗に行くなどして練習したいと思います。

さて、今回はハイスペック女子というか明らかに可愛く男性からのオファーが多そうな女の子に対してのアポの取り方についてです。
基本的には営業マンのアポ取りにも通ずると思うのですが、3日程ほど投げて空いてる日を相手に選択してもらうというやり方をとっておりますが、どの日も空いてないなど、なかなかアポ自体が取れないことが多いです。
一対一で会えればそれなりのアクションからキープかストップロスか判断できるのですが、アポ自体がなかなか…一つとしては先週もどなたかが仰っていましたが、仕事やプライベートで忙しさを装って自分をブランディングした内容で送るなどがあるかと思います。
もしくはそのような反応が2度続いたら、もうそもそも脈なしと見なして次にいったほうがいいのか?

たしかに自分の経験則でも会える女子というのはこちらが打診した日がダメだった場合は、そちらの都合のいい日を投げてくれてその日に合わせて会うということができています。
なにかLINEやメールで有効なアポの取り方があればご教示いただけたらありがたく思います。
(略)

―藤沢数希の回答

LINEで会話するとか…
(略)
…怖くて口説けない、というだけのことでしょ。

…………

読者からの質問
<フラれた元カノと同窓会で再会予定です>

とても女々しい質問をさせてください。
現在、大学4年生(男)です。
7年前、盛大に僕をフッた元カノと同窓会で再会するのですが、僕としてはよりを戻したいと考えています。
よりを戻すことが無理なら、フッたことを後悔させてやりたのです!
(略)
7年前の僕ははっきり言ってこのメルマガに出てくる「冴えない男」の代表のような感じでした。
(略)
当時の僕と今の僕の差を見せつけることはできますか?
(略)
女々しくて、他の質問に比べられるレベルが低く、藤沢先生には思いっきり怒られそうな質問だとは分かっていますが、よろしくおねがいします。

―藤沢数希の回答

君はこの7年間の間に大きく成長しました。
(略)
…みたいな感じで、むしろ相手の積極性を引き出して、その日はあっさりと別れて、後日、どっかのレストランに呼び出して、やっちゃいましょう。

Good Luck!

…………

いかがでしたでしょうか。藤沢さんの回答は、切り口にも語り口にも、独特の味があってもちろん面白いのですが、『週刊金融日記』のQ&Aがアツいのはそれだけが理由ではありません。自分以外にどのようなスペックの人が読んでいるのか、どのようなことに悩んでいる人が読んでいるのかが、このコーナーでは一目瞭然です。
つまり、「Q&Aコーナー」が「読者の集いの場」として機能しているのです。

これは、藤沢さんのブロマガに限りません。堀江貴文さんの『ブログでは読めない話』も、一見「簡易コンサルタント」といった趣が強いですが、それだけで完結させていません。「その話は面白いから●●までメールください」といきなり本当にビジネスにつながったかと思えば、「それはない」の一言で非常に冷たく切り捨てたりと、堀江さんと「質問を送った読者」との絡みが、質問を送っていない読者も読んで面白いと思えるように演出されています。

そして、私の見る限り、Q&Aコーナーの本質はこちらにあると思います。津田大介さんによるtwitter活用法も、ドワンゴ社の主要サービスであるニコニコ動画のコメントの面白さも、すべてつながっていると思います。読者は基本的に、あらゆる情報を「一人で」読みたいわけではなくて、「みんなで」読みたい(それはビジネスで儲けるための情報であっても)。

ぜひ、ブロマガ著者でQ&Aコーナーの開設を検討している方は、「ソーシャルリーディングをする場所を作るんだ」ということを意識して挑戦してみてはいかがでしょうか。


<次回は、「人に読んでもらえる記事」の作り方について解説したいと思います>

※編集部へのご連絡はこちらからお願いします。

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