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本当に実践的な有料ブロマガで購読者数を伸ばす方法(夜間飛行 井之上達矢)

2013/06/24 12:01 投稿

  • タグ:
  • 井之上達矢
  • 伸ばす方法
  • 2013年06月28日号

こんにちは。夜間飛行の井之上です。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、夜間飛行はメルマガ配信・制作を行っている会社です。

なぜ、ある意味でライバル企業(もちろん会社の規模としては比べるべくもありませんが)の人間が、こんなところでコラムを書いているんだと疑問に思う方もいるかもしれません。

私の動機としては単純です。

世の中に発信されているコンテンツの質を少しでも向上させたい。これに尽きます。
そのために、私に発言機会をくださるというのであれば、喜んでお話しさせていただきます、ということです。みなさんの「声」が、一人でも多くの読者に届くようにお手伝いさせていただきます。

ご参考になれば幸いです。



第1回「読者との『距離感』を詰める」



■「有料」と「無料」の棲み分け


ブロマガやメルマガを有料で配信されている方の多くは、「無料」で読者・視聴者が接することができるコンテンツも世の中に送り出している方が多いと思います。

テレビ、ラジオ、ブログ、ツイッター、フェイスブック……。これらを通じて配信しているコンテンツと、ブロマガを通じて「有料」で配信するコンテンツの棲み分けに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

「有料」と「無料」のコンテンツをともに配信するにあたって、もっとも気をつけるべきことは何か。それは、読者との「距離感」だと私は考えています。

配信するテーマでも、クオリティでもなく、読者との「距離感」。これこそが、読者に「このコンテンツはなぜ有料であり、このコンテンツはなぜ無料であるのか」を納得してもらうためのもっとも重要な要素です。

「よし、ブロマガは有料で配信するのだから、読者に満足してもらえるように、無料のブログよりもしっかり書こう!」と考えて、ブログよりも文体や内容が固くなってしまう方がいます。

読者に対するサービス精神があるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。

しかし、有料ブロマガの購読者を増やすということを目標とするならば、非常にまずい状況にあると言えます。

想像してみてください。普段から一緒にカラオケをしている友達が、武道館でコンサートをするとします。確かに、カラオケではとくに歌いこんだ「持ち歌」を歌うわけでもなく、振り付けや演出も何もないかもしれません。一方のコンサートでは、徹底的に歌い込んだ「持ち歌」を、一流のバンドと一流の演出とともに、聴かせてくれるかもしれません。しかし、いつもは無料でその人の歌を聞ける友達が、はたしてチケット代を支払いたいと思ってくれるでしょうか。もちろん、何者でもなかった友達が世間から認められることになった「ご祝儀」として、最初の数回は喜んで支払ってくれるかもしれません。しかし、継続的な「お客さん」としては期待しない方が賢明だと思われます。

では、逆の場合はどうでしょうか。普段から武道館でコンサートをしているような有名人が、お金を払えば一緒に少人数でカラオケをしてくれるとなった場合。そこにコンサートチケットよりも高いお金を払う人は「少なからずいる」と考えることは、それほど無理のある推論とは言えないはずです。

つまり、読者は「自分と著者の距離が遠くなった」と感じれば、財布の紐がきつくなり、「自分と著者の距離が近くなった」と感じれば、財布の紐がゆるむと考えられます。そうであれば、ブロマガでも、「ブロマガを購読することで著者との距離が近くなる」という状況を演出しない手はありません。



■お客さんの呼べるディナーショーにしましょう


「メルマガはディナーショーである」という指摘が以前ありました。鋭い指摘だと思います。「距離が近くなる」という視点から考えても、その通りだと思います。ただ、ディナーショーにも「お客さんの集まるディナーショー」と「お客さんの集まらないディナーショー」があります。ディナーショーをする人が有名かどうかも、もちろん重要な要素ですが、それだけでお客さんが継続的に来てくれるようになるわけではありません。

例えば、武道館で行うような、汗を撒き散らす激しいダンスと、お腹の底まで響くような大音量のステージをしたとして、はたしてディナーショーに来たお客さんは喜んでくれるでしょうか。「うるさいんですけど……」とお客さんに感じさせてしまう可能性が高いと思います。それよりも、心地の良いバラードを歌いながらテーブルを回ってくれて、にっこり微笑みかけ、軽く握手などをしてくれた方が、お客さんの満足度は高まります。

もっと分かりやすい例を挙げてみます。ある政治家のことを支持している人がいたとします。街頭演説を聞いて、拍手を送っていたことも何度もあったとします。その支持者からすれば、その政治家が自分の目の前に来てくれたら、とても嬉しいでしょう。しかし、その時に、目を血走らせ、拡声器に叫んでいるテンションで、自分に向かって政治信条を語ったら、どう思うでしょうか。端的に「引く」はずです。いつもは厳しく、激しく、演説をしている人が、にっこりと笑って、「どうぞよろしくお願いします」と握手をしてくれることを、その支持者は願っているのだと思います。

もう一つ例を挙げます。「●●でしょ!」の言葉が流行語になりそうなカリスマ塾講師がいたとします。その塾講師が家庭教師に来てくれたとして、もし、普段の大教室あるいは放送授業でするような、目線を遠くに置き、身振り手振りのオーバーアクションをしながら授業をしたら、生徒はありがたいと思うでしょうか。ありがたいと思うどころか、「この人、大丈夫かな?」と心配されてしまうでしょう。しっかりと目線を合わせ、「そうか、先週のテスト、うまくいかなかったんだ」とか、「へえ、部活がんばってるの?」といった話をしながら、勉強の伴走をすることが求められているはずです。

いかがでしょうか。

はたして、みなさんの「有料ブロマガ」は、ほかのあらゆる「無料で配信しているもの」とくらべて、読者との距離は縮まっているでしょうか。また、その「縮まった距離」で語られている口調は、その「近さ」に応じたものとなっているでしょうか。ぜひとも、こうした視点をもとに、ご自身のブロマガを読み返してみていただきたいと思います。

ブロマガが成功するためには、「有名であること」は重要ですが、「有名でなければ成功できない」わけではありません。「面白いディナーショー」で、きちんとファンの数を増やしていき、大きなハコでのパフォーマンスに繋げることも十分に可能だと思います。

それでは、私も読者の一人として楽しいブロマガをお待ちしております。ではまた。


※注意点:上記の記事は、購読者総数3000人以下のブロマガを対象に書きました。3000人以上のブロマガについては、イメージすべき状況が「ディナーショー」ではなくなるので、戦略も変わります。


※本件に関するお問い合わせはこちらのメールフォームよりお願いします。
http://ch.nicovideo.jp/blopro/letter

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