みらいちゃんの骨格を担うミライフレームは、プラモデルでも使われている“射出成形”という方法で作られています。射出成形機と呼ばれるマシンに金型をセットし、溶けたプラスチックを注入して冷えたら出来上がり。イメージとしては、たい焼きに近いですね。
ミライフレームの金型。実は家を買えるほどのお値段なんです!関節周りやフレームの一部は露出するので、違和感が出ないよう外皮の色に合わせなければなりません。そのため、まず外皮のサンプルを工場に送り、カラープレートを幾つか作成してもらって適した色を選ぶのですが、フレームの色は照明環境によって見え方が大きく異なるので、色のマッチングは慎重に慎重を重ねる必要があります。
フレームは一部露出するので、色を外皮に合わせます。 色が決まったらいよいよ成形!
射出成形機のノズルから射出された樹脂は、スプルー(材料の注入口)とランナー(製品部分まで流れる道)、ゲート(ランナーと製品部分を繋ぐ部分)を通って、成型品となる空洞部分に流し込まれます。ランナー及びゲートの形状やサイズは、製品の外観や寸法に大きな影響を与える重要な要素です。
最適な成形を行なうには、材料の射出速度や金型の温度管理など、高い技術と経験が必要不可欠。パーツどうしの理想的なはまり具合と滑らかな動きを実現するには、材料の流れ具合も考慮しながら、ミリ単位以下での調整が行なわれるのです。
テストは数千回ほど行なわれ、パーツどうしを完璧に組み合わせるのには数週間を要します。
■テストと調整を繰り返してようやく完成です!
外皮とのフィット感も検証し、試行錯誤の中でテスト作成されたフレームの数は数百体にも及びました。金型から出来上がったフレームの試作第1号はT1と呼ばれていて、変更点を加える度に数が上がっていきます。スマートドールのフレームはT7でようやく完成になりました。
射出成形はドール開発の中でもかなり大掛かりで最も難易度の高い工程でしたが、この技術の応用性は今後の事業に貢献してくれる事間違い無しです(^^)
次回は、苦労の末に完成した“ミライフレーム”の組み立て工程について、お話したいと思います。