週刊アスキー本誌では、角川アスキー総合研究所・遠藤諭による『神は雲の中にあられる』が好評連載中です。この連載の中で、とくに週アスPLUSの読者の皆様にご覧いただきたい記事を不定期に転載いたします。
目下、全国のiPhoneラバーたちの最大のテーマは、2種類あるというiPhone6の“4.7インチと5.5インチの画面サイズのどちらのモデルを買うか?”らしい。これって毎年恒例のこととなっていくのか? 1年前の『iPhone5s』と『iPhone5c』では、“c”は廉価版だったから迷いはなかった。今回は、画面サイズが大きい5.5インチ版が“上位モデル”と考えるのが順当だが、図1のグラフを見ていただきたい。 出典 角川アスキー総研『メディア・ライフスタイル調査 2014』(n=1万73)これは、角川アスキー総研のアンケート調査で“iPhone利用者が今後買いたいスマホの画面サイズ”を集計したものだ。いちばん多いのが現行iPhone5s/cと同じ4インチの20.7%(iPhone4S以前の3.5インチのユーザーも多いからでしょうね)。ところが、4.5インチ~5インチを合計すると9.7%、4.5~6インチ合計では11.3%となり、現行と同じ4インチの半数以上の数値となるのだった(複数選択のため単純合計より数値は少ない)。アップルが、iPhone6で大画面化をせざるをえないと考えるのもわかる結果といえる。しかし、5.5インチはいささか大きすぎないだろうかという気もする。
出典 角川アスキー総研『メディア・ライフスタイル調査 2014』(n=1万73)図2は、“Android利用者が買いたいスマホの画面サイズ”である。Androidでは、5インチがすでに人気機種となっているわけだが、4インチと5インチはほぼ同じ人気。iPhoneも今後はこちらに向かうと考えるのはわかる話だ。ただし、大画面化が進むAndroidも6インチは3.5%、iPhoneでは2.1%しか欲しい人がいない。
こう眺めてくると、アップルはiPhone6をなぜ現行と同じ4インチで発売しないのだろうか? という気がしてくる(旧モデルの併売も考えられるが)。そして、5.5インチのiPhone6って、高級かつオシャレなiPhone最上位機種として妥当なのだろうか? という疑問もわいてくる。
というよりも、大画面のニーズはあるのだが、手のひらにすっぽりおさまる端末でこそイノベーションは起こるはずだったのではないか? その意味では、現行の4インチはすでに間違った方向に歩みはじめていて、本当は4Sまでの3.5インチ(=マクドナルドのハンバーガーの直径やフロッピーディスクの大きさ)が理想なのだ。Androidは、“iPhoneにないものとして大画面化”したのであって、そこでは違った可能性が模索されている。
アップルの製品では複数の試作品がつくられているというお話は今までもあった。2インチ台の画面サイズの“iPhone mini”とか、9.7インチより大きな“デカiPad”などのウワサがありました。個人的には、iOS8とYosemiteの連携機能やホーム/ヘルスキット、システム拡張性拡大などとても気になるタイミングでの製品になるのだが、はたしてiPhone6、どんな画面と仕様で発売されるのか?
↑ちなみにこれは本誌副編ACCNが中国で入手してきたニセiPhone6(中央)。右が本物のiPhone5sで、左が5.5インチのモックだとか。