>>117-118:武藤さん 『里山資本主義』を読んでいただきありがとうございます。しかし、里山に行けば全てハッピーなんてそんな「うまい話」はありませんよ(笑)。ただ一筋の希望が仄見えるという感じです。『里山資本主義』を読まれたのであれば、同じく藻谷浩介氏の書かれた『デフレの正体』も読むことをお薦めします。これは日本の危機の正体をかなり正確に把握することのできる論考です。そしてそれを回避する一つの方策として『里山資本主義』や『しなやかな日本列島のつくりかた』に書かれた内容があるわけです。高齢者の大都市への移動に伴って若年層の流出も続き、限界集落の消滅集落化がこれから多発するわけですが、これに抗する動きが弱いながらもあり、それが若者のUターン・Iターンなわけです。『里山資本主義』がロングセラーを続けていることは希望です。ただTPP発効後にも有効かどうかは微妙なところではありますが。 >>101:こいらさんが 故郷に消滅のリスクがあるとのこと、心中お察しいたします。自らを育んでくれた故郷を喪失するということは親を失うことにも匹敵する淋しいことですよね。 私の住んでいる京都を含む京阪神も実は人口減少が激しい地域です。1000年以上の歴史と多彩な観光資源、そして意外に本社を置く企業が多く残っていても人口は減少しつづけています。 新幹線の駅や高速のインターチェンジがあれば逆にストロー効果で若者も高齢者も大都市に出ていきやすくなりますし、家電や自動車部品の工場はハイテク化により非正規社員の比率が高まれば定住者も少なくなります。残っている人々には言い知れない焦燥感や諦念にも似た感情があるかと思いますが、それが希望の星であるはずのIターンで入ってくる若者を幻滅させる排他性となっているのかもしれません。それはとても悲しいことです。 TPPが発効すれば一次産業はますます厳しいですが、林業は『里山資本主義』で示されたような有望な建材としての需要や新エネルギーという目があります。漁業については、この間NHKでやっていたのですが、水揚げ漁港から直送の地場ものの魚を丸一匹パックして売っている道の駅があり高齢者が列をなして買いに来ているようです。農産物でも水産物でも本当に良いモノを農協・漁協を通さず直売すれば、お金のある高齢者の食指を動かすことができるかもしれません。農業だと有機無農薬などでしょうか。 都会のスーパーなど大規模な流通を介した市場がTPPで外資に支配されても、道の駅や直売所など小規模なモノをいちいち取り締まれないでしょう。もしこれもISDで法規制を要求されたら地域通貨と物々交換による地域完結経済がますます加速するだけです。そうなれば本当に都市から地域への人々の還流という逆回転が始まる気がします。 さて、小泉・細川の政策集団に期待すると仰ったように、これが力を持って政府が脱原発を決断すれば一番良いのですがね。エネルギーの地産地消が加速すれば地域に雇用が発生しますから。経産省が産業政策で新エネルギー開発を指導すれば民間企業もこぞって今まで控えていた国内への投資を始めるでしょう。そして民間がやれない廃炉や除染を国債発行による公共投資でやれば、この時はじめて政府の財政出動が真に有効なものになるでしょう。これが倫理と成長の脱原発だと思います。 吉原毅氏の『脱原発で日本経済は再生する』を藻谷浩介氏が推薦しています。 この本もオススメです na85
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>>117-118:武藤さん
『里山資本主義』を読んでいただきありがとうございます。しかし、里山に行けば全てハッピーなんてそんな「うまい話」はありませんよ(笑)。ただ一筋の希望が仄見えるという感じです。『里山資本主義』を読まれたのであれば、同じく藻谷浩介氏の書かれた『デフレの正体』も読むことをお薦めします。これは日本の危機の正体をかなり正確に把握することのできる論考です。そしてそれを回避する一つの方策として『里山資本主義』や『しなやかな日本列島のつくりかた』に書かれた内容があるわけです。高齢者の大都市への移動に伴って若年層の流出も続き、限界集落の消滅集落化がこれから多発するわけですが、これに抗する動きが弱いながらもあり、それが若者のUターン・Iターンなわけです。『里山資本主義』がロングセラーを続けていることは希望です。ただTPP発効後にも有効かどうかは微妙なところではありますが。
>>101:こいらさんが
故郷に消滅のリスクがあるとのこと、心中お察しいたします。自らを育んでくれた故郷を喪失するということは親を失うことにも匹敵する淋しいことですよね。
私の住んでいる京都を含む京阪神も実は人口減少が激しい地域です。1000年以上の歴史と多彩な観光資源、そして意外に本社を置く企業が多く残っていても人口は減少しつづけています。
新幹線の駅や高速のインターチェンジがあれば逆にストロー効果で若者も高齢者も大都市に出ていきやすくなりますし、家電や自動車部品の工場はハイテク化により非正規社員の比率が高まれば定住者も少なくなります。残っている人々には言い知れない焦燥感や諦念にも似た感情があるかと思いますが、それが希望の星であるはずのIターンで入ってくる若者を幻滅させる排他性となっているのかもしれません。それはとても悲しいことです。
TPPが発効すれば一次産業はますます厳しいですが、林業は『里山資本主義』で示されたような有望な建材としての需要や新エネルギーという目があります。漁業については、この間NHKでやっていたのですが、水揚げ漁港から直送の地場ものの魚を丸一匹パックして売っている道の駅があり高齢者が列をなして買いに来ているようです。農産物でも水産物でも本当に良いモノを農協・漁協を通さず直売すれば、お金のある高齢者の食指を動かすことができるかもしれません。農業だと有機無農薬などでしょうか。
都会のスーパーなど大規模な流通を介した市場がTPPで外資に支配されても、道の駅や直売所など小規模なモノをいちいち取り締まれないでしょう。もしこれもISDで法規制を要求されたら地域通貨と物々交換による地域完結経済がますます加速するだけです。そうなれば本当に都市から地域への人々の還流という逆回転が始まる気がします。
さて、小泉・細川の政策集団に期待すると仰ったように、これが力を持って政府が脱原発を決断すれば一番良いのですがね。エネルギーの地産地消が加速すれば地域に雇用が発生しますから。経産省が産業政策で新エネルギー開発を指導すれば民間企業もこぞって今まで控えていた国内への投資を始めるでしょう。そして民間がやれない廃炉や除染を国債発行による公共投資でやれば、この時はじめて政府の財政出動が真に有効なものになるでしょう。これが倫理と成長の脱原発だと思います。
吉原毅氏の『脱原発で日本経済は再生する』を藻谷浩介氏が推薦しています。
この本もオススメです na85