米国の内戦といえば南北戦争だ。 このときは南部にも北部にもそれぞれの産業基盤があったので(それゆえに保護貿易か自由貿易かで路線がくいちがったのだが)、本格的な戦争を継続できるだけの金銭的基盤があった。戦争は4年にわたり、数十万人が戦死したといわれる。 当時とは米国内の制度が異なるし、「トランプ州」に戦争を継続できる基盤的能力があるともおもえず、南北戦争のような「内戦」は起きないとおもう。 というわけで、内戦などおきないとおもうが、ただ、BLMのときをさらに拡大したような「小さな内乱」と呼べるようなもの、あるいは要人の暗殺のようなことは、おきないともいえないだろう。 万が一、「内乱」の規模によっては、イスラム国のような米国外勢力の攻撃や、中露の介入もあるかもしれないが、そうなれば結局かえって米国は団結するだろう。 そうはいっても、備えは必要だ。「小さな内乱」でもおこれば日本に対する影響は甚大だ。ある期間米国が完全に内向きになるのは確実なので、そのあいだに中共の南シナ海や台湾への侵略が進むだろう。場合によっては朝鮮戦争がはじまるかもしれない。 というようなことを考えるが、そう考えてくると、火のないところに煙はたたないとしても、それを火事にするナラティブの発信地がなんとなく想像がつく。 とおもっていたら、こういうニュースがちょうど報道されている。工作を真に受ける日本のお年寄りも一定数いるだろう。 https://www.yomiuri.co.jp/national/20240511-OYT1T50118/
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
米国の内戦といえば南北戦争だ。
このときは南部にも北部にもそれぞれの産業基盤があったので(それゆえに保護貿易か自由貿易かで路線がくいちがったのだが)、本格的な戦争を継続できるだけの金銭的基盤があった。戦争は4年にわたり、数十万人が戦死したといわれる。
当時とは米国内の制度が異なるし、「トランプ州」に戦争を継続できる基盤的能力があるともおもえず、南北戦争のような「内戦」は起きないとおもう。
というわけで、内戦などおきないとおもうが、ただ、BLMのときをさらに拡大したような「小さな内乱」と呼べるようなもの、あるいは要人の暗殺のようなことは、おきないともいえないだろう。
万が一、「内乱」の規模によっては、イスラム国のような米国外勢力の攻撃や、中露の介入もあるかもしれないが、そうなれば結局かえって米国は団結するだろう。
そうはいっても、備えは必要だ。「小さな内乱」でもおこれば日本に対する影響は甚大だ。ある期間米国が完全に内向きになるのは確実なので、そのあいだに中共の南シナ海や台湾への侵略が進むだろう。場合によっては朝鮮戦争がはじまるかもしれない。
というようなことを考えるが、そう考えてくると、火のないところに煙はたたないとしても、それを火事にするナラティブの発信地がなんとなく想像がつく。
とおもっていたら、こういうニュースがちょうど報道されている。工作を真に受ける日本のお年寄りも一定数いるだろう。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240511-OYT1T50118/