りゃん のコメント

年配者の幸福のひとつに、わかいものに説教するというものがあるとおもう。
しかし本人は良い助言とおもっていることが多い。
男女ともに見られる現象だが、どちらかというと男、つまりおじいさんに多い。

参考になる場合がないわけではないが、どっちかというと、迷惑な場合が多い。
あくまで一般例として、「そういうの」の一例を出そう。

いま米国等の大学で紛争が起きている。
昔ならどうだったか知らないが、いまどきの大学生やわかいものは、
よほどのボンクラでない限りは、第一報に接した時点で、具体的情報がなくても、
魑魅魍魎がウラにいると想像する。
純粋な正義感で単なるデモや集会を超えて違法行為に参加した米国学生はいないわけではなかろうが、
そうしたひとびとも、どっちかというとボンクラだろう。
まず「そういうの」がこれがわかってない時点で、わかいものは互いに目くばせをはじめる。

次に、「そういうの」は、うすっぺらい法ではなく、倫理が大事なのだと言い出す。
そこそこ勉強しているわかいものは、誰でも使える、
いわば数学の「定理」みたいになっている基準の背景に、実はいろんな流血事件があり、
さまざまな葛藤を経て「定理」がつくられたのだと知っているから、
法がうすっぺらいなどと聞いた時点で、笑いをかみこらえるのに必死だ。
だいいち、イスラエルもパレスチナもそれぞれの倫理が大事だとおもっているから、
妥協できないのではないか。

最後に「そういうの」は、わかいものを励ます。最高に気分がいい瞬間かもしれない。
しかし、わかいものは、「そういうの」がかつて警官隊と厳しく対峙したことなどない
とわかった時点で、退屈なはなしとしかおもわない。
そしておもう、いや、将来にたいして心配もないうえに、そこそこ健康なのなら、
いま、おまえがやれよと。

まあこんなふうなのだが、「そういうの」が鏡にうつる自分の姿に気づかない限りは、
良い幸福法であり、良い健康法なのかもしれない。健康に生きてくれれば、
わかいものにかかる医療保険料も少なくてすみ、それはそれでOKなのだろう。

No.6 6ヶ月前

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