りゃん のコメント

「ヨルダンにおける米国人兵士3人が死亡した無人機攻撃」への報復ということになっており、直接的動機としてそれは別にまちがいではないが、記事中にも「紅海の国際船舶への止むことのない攻撃」とあるように、背景事情として、海上交通路守備という米国の意思が決然と示されたというべきだろう。

サリバンと王毅とが、バンコクでつい先日の1月26日、27日に会談した。イシューは多岐にわたっただろうが、報道では、

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バイデン政権の高官によりますと、サリバン補佐官はイエメンの反政府勢力フーシ派が紅海で船舶への攻撃を繰り返していることを巡り、イランがフーシ派への支援をやめるよう中国に対して働きかけることを求めたとしています。
この高官は「中国が建設的な役割を果たすことを望む」と述べたうえで、今後、状況を注視していきたいとしています。
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と言う内容も(たぶんわざわざ)明らかにされている。

海上交通路守備には、①紅海という具体的意味と②抽象的意味とがある。
①は、紅海をさけて喜望峰を迂回せざるを得ないことで、中共も被害をうけているだろう(あるいはその可能性があるだろう)。中共は、海上交通路守備によって利益を得ている国のひとつである(欧州にスマホを輸出することでも考えてみれば良い)。

なので、中共が「建設的な役割を果たす」ことが期待される。フーシにはイランが影響力があり、イランには中共が影響力がある。

②のほうは、しかし、たとえば南シナ海や台湾周囲の海上交通路まで含まれる。ここは、中共だけでなく、東南アジア、台湾、韓国、日本等への海上交通路としても重要だ。ところが、ここで中共は紛争をおこそうとしている(あるいは南シナ海などでは明らかにすでにおこしている)。中共は、こちらでは「建設的な役割」をすでに果たしていないのだ。

No.11 9ヶ月前

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