中庸左派 のコメント

 >マクロン・仏大統領はNATO事務局長に反対の意向を伝達

 NATO東京事務所?文字通りNATO「東方拡大」という笑えないボケに、鋭いツッコミを入れたマクロン、その意味では、称賛に値する。どうも、ここのところ、アメリカ帝国ら西側は正気を失っているようにしか見えないから。

 GlobalTimesは、そもそもNATO東京事務所はNATO条約違反だと、断じている。「東京のNATO事務所:挑発的で条約違反」(6月8日)

「今日のNATOが実質的にも事実上も、a)条約の規定をはるかに超えて、あるいは外れて活動していること、b)日常的にその規定に違反していることは、弁護士でなくともわかる。」

 この記事を書いたJan Oberg氏によると「NATOは "パートナー "というカテゴリーを創設した。したがって、31の加盟国だけでなく、すべての大陸にまたがる40のパートナーが存在する。NATOのホームページを見ると、パートナーとは非常に親密な、あるいはほぼメンバーであることがよくわかる:2010年の戦略構想に沿って、NATOはパートナーに「同盟へのより多くの政治的関与と、彼らが貢献するNATO主導の作戦に関する戦略と決定の形成における実質的な役割」を提供した。」という。

 北大西洋という地政学的枠組みはご都合主義により、どうでもよくなったわけだ。

 国際法のいい加減さは、こういうところにも現れている。

 こうしてNATOはユーゴスラビア爆撃のような「域外」作戦を実行するようにすらなった。NATOは本来、ワルシャワ条約機構が無くなったのと同時に、解消されるべきだったのに。

 NATO東京事務所は明らかにアメリカ帝国による対中包囲網の一貫として、画策されていた。
 
 しかし、NATOのウクライナへの拡大がなにを招いたかは、誰の目にも明らかだ。

 Jan Oberg氏は次のように述べている。

 「NATOは74年以上にわたり、真の平和を創造する能力がないことを証明してきた。NATOはグローバル化し、域外化し、条約から外れている。もはや分析も議論もしない。NATOはもはや分析も議論もせず、軍国主義の教会で信徒に説教をするように、後付けで説教をしているのだ。

単純な弁証法によれば、拡大し続ける挑発的な同盟関係は、東洋や南半球との間だけでなく、国内でもこれまで以上に多くの紛争を引き起こすだろう。

NATOは機能不全に陥っており、出現しつつある協調的な多極化世界においては無関係である。

酒を飲んでもアルコール依存症は治らない。NATOの軍国主義が治ることはない。したがって、少なくともこの点に関しては、マクロンは正しい。

NATOは自らの法律を尊重しなければならない。NATOは大西洋横断地域の加盟国以外では法的な業務はない。」

https://www.globaltimes.cn/page/202306/1292204.shtml

 国際法もなにも、あったものではない。ムリが通れば、道理が引っ込むのが、国際政治の実像だ。

 「NATOは機能不全に陥っており、出現しつつある協調的な多極化世界においては無関係である。」とJan Oberg氏は書いているが、この点は重要だと考えている。

 何故なら、日米安保条約についても同様にいえるからだ。基地の負担は勿論、米軍基地は対中挑発の最前線基地であり、挑発行為の返り討ちに遭う標的だ。

 日本は、いい加減、その矛盾に気づくべきだと考えているのだが、ディズニーランドで遊び呆けて、アメコミヒーロー映画しか見ない日本人は多いから、アメリカ帝国の洗脳は永遠に解けないのではないか?と非常に心配している。

No.5 15ヶ月前

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