サトル のコメント

昨日の「十番勝負 3」に参加して、帰宅後また、チマチマと「倉山皇室論」をかきかきしてると、悲しくなるので(笑)、マトモな本の記述を……m(_ _)m

「生ける世界の法と哲学ーある反時代的精神の履歴書ー」(井上達夫著 信山社)

まえがき……より。

「……私が知的啓発を彼らから得たのは、著作によるよりむしろ、日々の会話を通じてである。当時、社会科学科事務室には、大きな楕円形のテーブルが置かれており、これは「卓袱台」と呼ばれていた。そう呼ばれたのは、教員たちがそこで、授業の合間の休憩時間にお茶を飲んだり、昼休みに弁当を食べたりしたからである。……」

「……そこに行くと、いつも教員の誰かがおり、居合わせた人たちの間で自然発生的に会話が進行し、談論風発となった。私もそこで教員たちの議論を耳学問的に聴いたり、自ら議論に参加したりした。」

「専門分野の垣根を越えた議論が、学会や研究会のように肩肘張らず、まさに自由闊達、ざっくばらんな仕方で、日常的に展開されたのである。」

「……私は駒場で助手を務めた三年弱の間、この卓袱台で様々な人たちから実に多くのことを学んだ。率直に言って好感のもてない人物もいたが、彼らからも反面教師として教訓を得た。」

「学んだのは、知識以上に、この世界に対する問題意識の持ち方、思考の進め方、社会に対する知識人の責任の取り方である。」

「特に強く記憶に残っているのは、西部邁である。当時彼はまだ助教授だったので、助手の私との距離感があまりなく、よく彼に話しかけられ、こちらも気楽に話せた。」

「思想的な立ち位置は私と異なるが、左翼がいまだ日本の知識人の間で支配的だった時代に、保守の論客として、世間受けを気にせず、愚直なまでに真摯に自分の問題意識に従って突き進む彼の姿勢に、人間的共感を覚えた。」

「知識人も媚びる大衆社会的同調圧力を批判する点では、「保守」の彼と、個の自立を重視する「リベラル」を既に自任していた私との間には、同志的連帯すらあった……」

昨日の井上氏が「会場にきて、楽しそうだった」ハズである。

No.103 13ヶ月前

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