中庸左派 のコメント

>ロシアはウクライナではなく「西側集団」全体と戦っているというプーチン大統領の説明は、この戦争はキエフ政府を排除するという当初の主張よりも、全国で響きわたっている。

 独断と偏見であるが、私なりにロシアの論理と心理を素描してみたい。

 ロシア国民にとって、当初はウクライナ内戦への軍事介入=特別軍事作戦であったことだろう。

 露系ウクライナ人の虐殺から、「仲間」を守るための戦い。

 そして、ロシア連邦軍にはその「正義」を守るための軍事的実力があり、ロシア国家にはそれを担保する政治経済力がある。だから、特別軍事作戦は合理的で論理的な選択であった。

 勿論、ロシア指導層からすると、NATOの東方拡大は戦略的に絶対に認められない事態であった。この点も重要。

 こうした背景となる受け止め方があり、ロシアの政治的軍事的決定力があれば、ウクライナ内戦の平定は短期間で終了するはずであった。実際、3月中は停戦和平の流れが戦闘と並行していた。

 しかし、ウクライナ内戦の黒幕、アメリカ帝国とイギリスが、他のG7諸国まで引っ張り込んで、弱小ウクライナを軍事支援し始めた。

 これにより、戦争の長期化は避けられず、同時に戦争の様相は一気に世界観の戦い、即ちアメリカ帝国一極覇権に対する、ロシアが先陣を切る形の大祖国戦争に匹敵する、多極世界観即ちロシアがロシアとして生き残るための戦い、に転化した。

 世界観には当然国家の共同幻想やナショナリズムも動員される。だから、国民は強固に国家と一体化していく。

>全国で芸術家、作家、俳優は、批判的な見解を示唆することをしたために仕事から追い出されており、学童たちは、教師や司祭が戦争ではなく平和を提案したことを非難している。

 では、私はこうしたロシア国民の思考様式や論理を想定してみて、それをどう評価、判定するか?

 私はサヨクだから、どちらかと言うと、「国家の死滅」というマルクス主義的世界観に魅惑されてきたので、国家とは、正直距離を置きたい。

 しかしながら、反戦平和を停戦和平に向けた理論と捉えるなら、ウクライナ敗北という現実を顕在化させることが、停戦和平の「近道」だと考えている。それは、当然、結果的にロシア勝利を意味し、同時にアメリカ帝国の覇権の終わりなのである。

 その観点から、私はロシア国民を支持してしまうことを告白する。それは、ロシア撤退!などと空論を叫び、その実は戦争長期化と戦死者、被害者を増大させるだけのサヨク的「偽善」に耐えられないからでもある。

 今日は「ロシアのウクライナ侵攻から1年 ウクライナに平和を! 2・24日比谷野音集会&デモロシアは即時 、撤退せよ !原発に手を出すな!核使用恫喝許さない!すべての戦争と戦争準備に反対!」の日である。

 私は行かない。

No.1 21ヶ月前

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