>>332 サトルさん。こんにちは、ウサギです。私もさきほどトッキーさんのブログを読んで、だいたい似たようなことを考えていました。竹内久美子の考え方は、古代中国の陰陽・儒教思想を、現代風にアップデートした感じですね。 ********************* トッキーさんがブログで紹介されている井田氏の証言、 「反対する議員たちからは、「女性も男性と同じ権利があると国民が知ると、女系天皇が生まれてしまう」「家族が壊れる」「男女は陰陽」などと観念的な話をされることがとても多い。」 …この中の「男女は陰陽」という言葉、あぁ、統一協会(原理)の人たちは、やはりそうなんだ、と思いました。陰陽はもちろん古代中国から朝鮮半島日本へと伝わった古代的宗教思想ですが、これが血統論に応用されると、とんでもない話になるんですよね。(以下は、西田知己著『血の日本思想史 穢れから生命力の象徴へ』の内容の受け売りです。) 唐代の人々の考えでは、子供が父から受け取るエッセンスのようなものは、母から受け取るものとは、根本的に違うらしいです。 父→子:「気」あるいは「精」が継承される。これらは陰陽の「陽」に属する。 母→子:「血」が継承される。陰陽の「陰」に属する。 たとえば、ある唐代の史書には、次のような文言があるらしいです。 「父子至親、分形同気(父子は至親なり、形を分けて気を同じうす)」 ここでいう「至親なり」とは、かんたんにいえば、極めて密接なつながりがある、ということです。父と子は、体こそ別々だが、本質的な「気」は共有している。逆に、母と子は「血」しか共有していないから、本質的な結びつきはない、ということになります。 ここでは、現代日本人なら「(父と子の)血の結びつき」と言うところを、古代中国人は「(父と子の)気の結びつき」みたいに呼んでいたところが面白いですね。そして、こうした男性重視の哲学・医学思想が、社会組織の次元では、男から男へとのみ相続される「姓」の制度として展開することになります。 以上のような「陽精陰血」とか「父精母血」とか呼ばれる哲学的・医学的思想は、平安後期には知識としては一部の日本人に知られるようになりますが、現在のような男系血統論が本格的に出現するのは、江戸時代の儒家神道家たちの著作から、ということになるようです。 ************************* というわけで、竹内久美子は。儒教的な男尊女卑思想を現代的に発展させて継承する者、ということになるのでしょう。ちなみに、竹内久美子は動物行動学の専門家と称していますが、科学者でもなんでもないですね。だって、ふつうの科学者なら、このように言うはずだから。 「と、まぁ、こういう考えが古い時代にはあったのですが、現代的見地からすると、何の科学的根拠もない話です。人間の気質であれ体質であれ何であれ、特に優れたエッセンスのようなものが《父から子》だけに受けつがれるなどという説は、迷信のたぐいであると言わざるを得ません。」 このあたりで、あとは次号のコメント欄ということで。
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>>332
サトルさん。こんにちは、ウサギです。私もさきほどトッキーさんのブログを読んで、だいたい似たようなことを考えていました。竹内久美子の考え方は、古代中国の陰陽・儒教思想を、現代風にアップデートした感じですね。
*********************
トッキーさんがブログで紹介されている井田氏の証言、
「反対する議員たちからは、「女性も男性と同じ権利があると国民が知ると、女系天皇が生まれてしまう」「家族が壊れる」「男女は陰陽」などと観念的な話をされることがとても多い。」
…この中の「男女は陰陽」という言葉、あぁ、統一協会(原理)の人たちは、やはりそうなんだ、と思いました。陰陽はもちろん古代中国から朝鮮半島日本へと伝わった古代的宗教思想ですが、これが血統論に応用されると、とんでもない話になるんですよね。(以下は、西田知己著『血の日本思想史 穢れから生命力の象徴へ』の内容の受け売りです。)
唐代の人々の考えでは、子供が父から受け取るエッセンスのようなものは、母から受け取るものとは、根本的に違うらしいです。
父→子:「気」あるいは「精」が継承される。これらは陰陽の「陽」に属する。
母→子:「血」が継承される。陰陽の「陰」に属する。
たとえば、ある唐代の史書には、次のような文言があるらしいです。
「父子至親、分形同気(父子は至親なり、形を分けて気を同じうす)」
ここでいう「至親なり」とは、かんたんにいえば、極めて密接なつながりがある、ということです。父と子は、体こそ別々だが、本質的な「気」は共有している。逆に、母と子は「血」しか共有していないから、本質的な結びつきはない、ということになります。
ここでは、現代日本人なら「(父と子の)血の結びつき」と言うところを、古代中国人は「(父と子の)気の結びつき」みたいに呼んでいたところが面白いですね。そして、こうした男性重視の哲学・医学思想が、社会組織の次元では、男から男へとのみ相続される「姓」の制度として展開することになります。
以上のような「陽精陰血」とか「父精母血」とか呼ばれる哲学的・医学的思想は、平安後期には知識としては一部の日本人に知られるようになりますが、現在のような男系血統論が本格的に出現するのは、江戸時代の儒家神道家たちの著作から、ということになるようです。
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というわけで、竹内久美子は。儒教的な男尊女卑思想を現代的に発展させて継承する者、ということになるのでしょう。ちなみに、竹内久美子は動物行動学の専門家と称していますが、科学者でもなんでもないですね。だって、ふつうの科学者なら、このように言うはずだから。
「と、まぁ、こういう考えが古い時代にはあったのですが、現代的見地からすると、何の科学的根拠もない話です。人間の気質であれ体質であれ何であれ、特に優れたエッセンスのようなものが《父から子》だけに受けつがれるなどという説は、迷信のたぐいであると言わざるを得ません。」
このあたりで、あとは次号のコメント欄ということで。