うに のコメント

事件から一晩経ってもまだ悲しかった昨日、『リコリス・ピザ』を観てきました。ありえるかもしれない素敵な現実を見させてもらったような気持ちになりました。二晩明けてもまだ悲しいです。ひたすら可哀想です。

事件の当日、職場の人々は新しい大ネタが提供されたかのように話し、街の人々は平然とした顔で、スマホを見続け、平然とした顔で歩いていました。この人たちは大丈夫なのか?と思いました。僕がおかしいのかもしれない、とも思いました。

SNSで「安倍死ね」に類する言葉を平然と、小学生が学校でやるイジメのように拡散・黙認してきた人々の存在がその光景に重なると同時に、菊地さんのように、解離という切り口で受け止め、音楽で、この解離に作用する、新しい刺激を追求するのだ、と考えてくださっている人がいるということが、自分にとっての救いです。特に、この10年、音楽関係者、音楽ファンの人々が安倍さんや、安倍政権に対して放ってきた言葉や、その拡散のされ方に異様なものを感じつづけてきただけに、なおさらです(廃れてゆくメディアであるテレビや新聞と同じようなトーンだったと思います)。会ったこともない人のことを、死ねという言葉を使うくらいに憎み続けることができるエネルギーがどこから湧いてくるのか?実際にその人が殺されてみたら、また新しい標的を探し始め、また無自覚にこういうことを起こす素地を作り続けるだけなのではないか?と思います。音楽がそれに加担しているのではないか?とすら思います。僕にとって最近の菊地さんは、そういった現象に対するオルタナティブで、もし世の中で菊地さんへの解離が生じるとしたら、要所はこのあたりにあるのではないかと感じます。

殺害現場へ献花に訪れた人々の映像を見ると、若い人の姿が多く、安倍政権の金融緩和路線によって経済的にリアルに救われた若者、その存在が見えにくい若者の多さに改めて気づくと同時に、あの日僕が感じた現実とは違う現実もあるのだと認識することができました。

No.23 29ヶ月前

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