菊地成孔(著者) のコメント

userPhoto 菊地成孔
(著者)

>>1

 まあ、その件自体が摩擦ですから笑、隠居しようと思ったのは一瞬のことです(言うまでもありませんが笑)。

 こうしたジェネレーションギャップは、ご説の通り、太古からありました。僕の現場は、とはいえ合奏はするので、根本的なギャップにはなりませんが、今「誰もがスマホを」が一番問題視されてるのは映画界です。街の群衆シーンや電車の中のシーン、カフェや飲み屋のシーンが「絵にならないから」ですね。

 ここ数年間、この問題をなんとかすり抜ける苦闘を、映画で嫌と言うほど見ました。スマホがない時代の時代設定にするとか、すっとぼけて「こんな、客全員が語り合ってる見せねえよ」というシーンを平然と撮っちゃうとか、街のシーンがあって然るべき作品なのに、部屋の中ばっかり撮ってるとかetc

 スマホや、それに先行するガラケー、ウォークマンだけではなく、そもそも文字が、学者や哲学者、宗教者だけでなく、一般市民に「本」と言う形でて着した段階から「自己耽溺」「自己沈潜」は問題視されてきました。エドワードホッパー等がかは、そのことをテーマにした。とも言われています。

 イヤホンもヤバイですね。さすがに音楽のリハーサル中にイヤホンしているプレイヤーはいませんが笑、コンビニの客や歩行者の多くがイヤホンをしてます。

 桂文枝(元、桂三枝)が、新作落語で、親方が若い衆に説教するシーンで、一人一人に小言を言って行くのですが、何人目かが、何度呼びかけても返事をせず、親方が「ウォークマン外せ!」と言って爆笑を取ったのが今から40年前です。現在はもっとラディカルで、「対面で喋っているのに自己沈潜してる人」も多くなって、コミュ障とか言われますが、摂理だと思いますね笑。


 

No.2 24ヶ月前

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