前々回の記事へのコメントで書いたことのくりかえしになるが、孫崎さんは米国の戦略家の議論にほぼ依拠している。しかし、米国の戦略家は米国の戦略のために議論しているのである。どこを敵とすべきか、無駄な争いや戦争をしなくてすむにはどう考えたらいいかなど。なにか真理の探究のために議論しているのではない。 そしてその議論にはわたしからみて二つの特徴がある。 1,米国がどうすべきかという議論なので、うまくいかなければ「米国の失敗」となり、「ロシアの失敗」という観点がないこと。 2,プレーヤーが大国のみなので(これはこれでたとえば化学で「理想気体」を考えるのと同じである意味では有用)小国からの観点がないこと。 しかし、今回のロシアの侵略を客観的に考えるには、1,ロシアの失敗はないのか 2,小国はなぜNATOに加盟したがるのか という視点が不可欠ではないだろうか。これがないと、なにもかも米国の(DSの、軍産複合体の・・・)陰謀という考えの泥濘におちこむことになり、一般の理解は得られないだろう。そういう意味で、孫崎さんは理論構築の点で破綻しているとおもう。 反米マニアなヒトビトには受けがよさそうではあるが。
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
前々回の記事へのコメントで書いたことのくりかえしになるが、孫崎さんは米国の戦略家の議論にほぼ依拠している。しかし、米国の戦略家は米国の戦略のために議論しているのである。どこを敵とすべきか、無駄な争いや戦争をしなくてすむにはどう考えたらいいかなど。なにか真理の探究のために議論しているのではない。
そしてその議論にはわたしからみて二つの特徴がある。
1,米国がどうすべきかという議論なので、うまくいかなければ「米国の失敗」となり、「ロシアの失敗」という観点がないこと。
2,プレーヤーが大国のみなので(これはこれでたとえば化学で「理想気体」を考えるのと同じである意味では有用)小国からの観点がないこと。
しかし、今回のロシアの侵略を客観的に考えるには、1,ロシアの失敗はないのか 2,小国はなぜNATOに加盟したがるのか という視点が不可欠ではないだろうか。これがないと、なにもかも米国の(DSの、軍産複合体の・・・)陰謀という考えの泥濘におちこむことになり、一般の理解は得られないだろう。そういう意味で、孫崎さんは理論構築の点で破綻しているとおもう。
反米マニアなヒトビトには受けがよさそうではあるが。