uki のコメント

>>100
基礎研究者様
先日は岡山にはお越しいただき誠にありがとうございました!
ご丁寧にご挨拶もいただき恐縮でございます.もっと長くお話ししたかったのですが,設営の方に気持ちを配らざるを得ずたいへん失礼しました.またの機会にぜひよろしくお願いします!

思考実験的に挙げた私の意見に反応いただきありがとうございます.
まず私は臨床寄り,研究もdry labo(データをパソコンで解析するほう)であり,正直言って分子生物,生化学はほぼ教科書的知識のみ,という背景ですので,へんな恥ずかしいことを言ってたらすいません.

①感染経路について
他の方も仰っているように,マクロのデータとしてマスクはいずれにしても不要,罹っても日本では大したことはない,という事実を基本に置くことが最重要.しかし,今回を契機に,そもそも論として「ウイルスの感染経路ってどうやって確定してるんだろう?」という根本的な疑問が私の中で持ち上がってきました.
レセプターの臓器による数の違い(シアル酸,ACE2)で上気道が主体ではないと説明がつくのはわかります.しかし,それはあくまで一つの必要条件かもしれませんし,ミクロとマクロのデータは異なることはよくあるので,そこを埋めて納得したい,という問題意識です.そこから,みんなのマスクをとるという方向に持っていくことに関係するかはちょっと違うのですが(ここは今日のブログのよしりん先生の意見とずれがあるかも)...過去のACE2をレセプターとするコロナが他のコロナと比べてどんな感染なのかは詳しく知りたいです.自分が調べろよ,という話(笑).調べてみます.

空気感染は同じ空間にいるとうつるという意味でイメージは分かりやすい(R0が大きい感染症なら特にです.今回のコロナは疫学データ見てまず違いますが.).しかし,いわゆる飛沫感染(上気道感染主体といっていい?)と糞口感染(胃腸 → 排泄 → 口腔)はどうやって区別できるんだろうか? インフルでもコロナでも,症状は上・下気道主体だったり,胃腸主体だったりしますし.結構臨床の現場では,少なくとも感染症医でなければ(今回これも怪しいとは思いましたが),症状から適当に感染経路を推定するだけのいい加減な理解だったと思うのです.仰るように,そうすると抗体のどれがよいのか問題になりますが,口の中が主戦場と言うことならIgAが重要なようにも思います.なんかコロナの感染経路,齲歯というと感染性心内膜炎(細菌が血中に入り心内膜に炎症を起こす病気.)を思い浮かべます.臨床的にも十分妥当な経路ですね.これも証明をどうするかですが..
https://www.otsuka.co.jp/b240/mechanism/mechanism2.html

②ミクロレベルでのウイルス干渉
これも実は口の中で勝負がついている,ということならレセプターは関係なくて,宿主がある特定のウイルスに感染した後,口の中の白血球が出す武器たちの「あう,あわない」が関係しているんでしょうか? いろいろ機序が想定されているようで混乱してきます(- -);
https://www.nobuokakai.ecnet.jp/nakagawa230.pdf
あと,ミクロの機序→マクロでどうやって,ぱったりインフルがいなくなったように見えるのか?機序はわからないことだらけです.現象があることは納得せざるを得ないのに.ウイルスから逃れるも何も,ウイルスやそのかけらたちが蔓延している空間の中を人間は動いているだけということか?

③ACE2
ご指摘のように,膜タンパクの他の機能(臨床医は血圧関係で知っている程度)をもつものがウイルスの「受容体」として作用するということ自体,恥ずかしながら今回初めて知りました.特定のタンパクの「機能」を一面的にしか理解してこなかった.ウイルスは空間だけでなく,我々の浅はかな思考をも縦横無尽に飛び越えてくる,そんなイメージがします.

とりとめのないことを書いて申し訳ございません.またゆっくり考えようと思います!
少なくともウイルスは哺乳類より地球の大先輩で,その振る舞いは現在の人智を超えているのは間違いないですし,自分の生きている間に理解が追いつけるか不安ですが.
今後ともどうぞよろしくお願いします!

No.129 37ヶ月前

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