三島を考える時、ナチスを容認し、死ぬまで懺悔しなかった思想・哲学の巨人ハイデッガーを思い出さざるを得ない。しかも、この哲人はナチスの原初形態たる突撃隊に深く関与しているのだ。 三島は余り論じられることはないが、2.26事件の青年将校たちが財閥否定に立ち上がったことに強いシンパシーを感じている。 2.26事件に遅れて世に出た三島は処刑された青年将校たちの追討をどのようにするか、考えていたに違いない。当然、青年将校たちが嫌った米帝国主義に日本の全てが呑み込まれている状況に不満だったことが背景となろう。 星条旗の下で、ぬくぬくとサラリーマンする自衛隊に喝を入れ、米駐留軍を神国日本から追放することも三島の内面にあった。東大での全共闘との対話がそれを証明している。また、その情念は彼の短編「午後の曳航」に簡潔に表現されている。 今、自民党は中国との戦争を視野に入れている。それも、三島が嫌う米国の指図に従って敢行されるのだ。三島の存在を、そのような脈絡で眺めれば、キラキラと光って来て、戦争やめろ!と呟くのが聞こえる筈だ。
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孫崎享チャンネル
(ID:19005377)
三島を考える時、ナチスを容認し、死ぬまで懺悔しなかった思想・哲学の巨人ハイデッガーを思い出さざるを得ない。しかも、この哲人はナチスの原初形態たる突撃隊に深く関与しているのだ。
三島は余り論じられることはないが、2.26事件の青年将校たちが財閥否定に立ち上がったことに強いシンパシーを感じている。
2.26事件に遅れて世に出た三島は処刑された青年将校たちの追討をどのようにするか、考えていたに違いない。当然、青年将校たちが嫌った米帝国主義に日本の全てが呑み込まれている状況に不満だったことが背景となろう。
星条旗の下で、ぬくぬくとサラリーマンする自衛隊に喝を入れ、米駐留軍を神国日本から追放することも三島の内面にあった。東大での全共闘との対話がそれを証明している。また、その情念は彼の短編「午後の曳航」に簡潔に表現されている。
今、自民党は中国との戦争を視野に入れている。それも、三島が嫌う米国の指図に従って敢行されるのだ。三島の存在を、そのような脈絡で眺めれば、キラキラと光って来て、戦争やめろ!と呟くのが聞こえる筈だ。