希蝶 のコメント

 今回もオドレら正気か、ありがとうございました。少し眠ってしまったので、また聞き直さないと、ですが、選択肢がどうのという箇所が印象に残りました。「おんな城主直虎」でも同じようなことを和尚さんが言っていたような。
 右がしっかりしていない、という指摘はその通りだと思います。敢えて述べますが、完全な生物ではない、プログラムのような存在(ウイルス)を、どうやって死滅させたり、機能不全に陥らせることができるのでしょうか?
 介護施設が必要、というのは身にしみて感じています。しかし、今の病院や施設は、一度はいったらなかなか出て来られないような状況になっているから。これも選択肢を狭めていることなのでしょうが。

 ところで、話がかわるのですが、
 >>77のrokuさんが天日槍のことをあげていたので、自分の知っていることを記します。ライジングテーマから離れてしまいますが、こういう話も気分転換になってよいかな、と。恐らく高森先生の『古事記』の番組でも取り上げられていたのでしょうが、卒論でとりあげた話なので、参考までに。

 天之日矛(天日槍、あめのひぼこ)とは、日本最初の帰化人、つまり日本国籍になった外国人で、朝鮮半島にあった新羅(しらぎ)の国の王子です。その日本へやってきた動機が、「逃げた奥さんをおっかけてきた」という非常に情けない理由です。
 以下、( )は日本書紀の表記とよみです。

 『古事記』によると、阿加留比売(あかるひめ)という奥さんがヒボコに美味のたべものを与えたけれども、ヒボコが満足せず、そこで奥さんは「私はこの国の人間ではない、親の国に帰ります」といって舟で逃げてしまい、その後をおっかけて、難波まで来たのだけれども、土地の神が上陸させてくれず、やむなく山陰の方へゆき、多遅摩之俣尾(たじまのまたお)という人の娘である前津見(まえつみ)と結婚し、多遅摩母呂須玖(たじまのもろすく、但馬諸助)という子供をもうけたことになっています。
 そのあと、何代かあって、清日子(清彦、きよひこ)という子供が現れ、その子か弟に多遅摩毛理(田道間守、たじまのもり)がおり、さらに、その親族の娘に葛城之高額比売命(かづらきのたかぬかひめのみこと)がおり、彼女が息長帯比売命(気長足姫、おきながたらしひめのみこと)、すなわち神功皇后の母親だと伝わっています。
 その他のヒボコの活躍を知りたいかたは、『播磨国風土記』を読んでみるとよいでしょう。

 話のついでにもう少し書いておきますが、上記にあげた但馬清彦(たじまのきよひこ)というのが凄い人物で、『日本書紀』にこういう話があります。
 垂仁天皇(すいにんてんのう)が土地の神器を献上せよという命令を各地の豪族に出した際に、とある刀剣があり、これだけは渡すまじとふところに隠しておいたのですが、見つかってしまい、やむなく差し出すはめにおちいります。
 しかし、よくあさ、倉庫からその小刀は紛失しており、天皇が清彦に尋ねたところ、「自分の夢の中に刀が出てきて、これから淡路島へゆくと告げた」と答えたのだそうです。天皇は神の意志を感じ、それ以上は深追いせず、刀はぶじ淡路島へたどりついた、という話です。

 私はこの話を刀が自分の意志をもってあるきまわった、というふうには取ってはおりません。恐らく清彦が何らかの工夫をして、刀をうばいかえしたのでしょう。しかし、そのまま故郷へ持ちかえるわけにもゆかず、淡路島に自分の息のかかった者がいて、そこへ預けさせた、というふうに解釈しています。勝手な解釈なので、そんなふうに解説してある本はどこにもないのですが。
 今の政治家にも清彦くらいの能力を持った人間はいないものか、と思うのですが、自分がそうではないから、あまり大きなことは言えないでしょう。

 ということで、話がライジングテーマから大幅に逸脱しましたが、明日の道場、期待しています。

No.121 35ヶ月前

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