りゃん のコメント

この6月4日は天安門事件から32年の日だった。

当時のことやその後のことを調べてみると、「中国を経済成長させればやがて民主化し人権を重んじるようになる。だから中国を経済成長させるのは正しいのだ」というのが、中国を含めた暗黙の国際合意だったように見受けられる。もちろんそんな国際的な条約や合意はないが、そういう、はっきりいえばイデオロギーが天安門事件を相対化し、西側諸国は中国への投資を正当化した。

今回の孫崎さんの記事をみても、現在、そのイデオロギーは客観的にはみじめに失墜したが、いまだに都合のよいかたちでイデオロギーを修正し、さらには「「信頼され、愛され、尊敬される」中国のイメージを作り、友好国の輪を拡大したい」(5月31日の習近平のことば)に協力を惜しまない日本人が数多い。

アタマのつくりが、30年遅れているのだ。

たとえばチャイナ肺炎についても、贔屓の引き倒しのようなことをいうヒトビトもいる(矢印のあとは、贔屓の引き倒しに対する常識的な疑問)。

1,中国は治療薬が充実している
→ならばなぜワクチンをつくるのか。またいわゆる「ワクチン外交」をおこなうのか(治療薬を贈ればいいではないか)。

2,中国のワクチンはmRNAワクチンではなく、からだのことを考えている
→復星医薬はビオンテックと合弁しmRNAワクチンの製造を始める。また、雲南沃森生物技術はmRNAワクチンの臨床試験をメキシコで始める。中国は単にmRNAワクチンをつくる技術がなかっただけで、ようやくいま、買うか盗むかで技術を手に入れただけなのではないか。

ところで、中国の巨大なマネーはどこに向かっているのだろうか。それは、格差の下側にいる中国人民には向かっていない。老人福祉など今後もないから、最近、3人目のこどもをつくることを容認した。

マネーの大きな部分は、日本を買うのに向かっているのである。今回詳述しないが、それに呼応した自公政権は、銀行法を改正し、中小企業のM&Aを促進する政策を用意している。その客は米国と中国だ。米国と中国が共同して日本で「ハゲタカ」しているのだ。

時代はかわっている。いまの中国はむかし皇軍が侵略した中国ではない。こないだの樋口陽一(憲法学者)もそうだったが、そういう現在の構造が、アタマのつくりが30年遅れているヒトビトには見えない。

No.7 42ヶ月前

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