santafede33 のコメント

昨日聞いた、当国でのとある会話1
「君って、運動神経いいけどさ、昔、何かスポーツやってたの?」
「私が昔の頃、近所に住んでいた人に野球を教えてもらってたの。ルーベンっていうんだけど」
「へぇ」
「あだ名は、チノなんだけど(注:当国では縮れ毛のことをチノという)。それで、ルーベンがいないと野球用具がないから、その時はキックベースをしてたわ」
「そうなんだ」
「でも、ある日からパッタリ、ルーベン来なくなったの」
「そっかぁ」
「殺されたのね」
「え?」
「え?」
「殺されたの?」
「殺されたでしょ」
「へぇ」

昨日聞いた、当国でのとある会話2
「それで、村には一面のバニラ畑があって、村に到着するとブワッと匂いがすごいわけよ」
「へぇ」
「バニラって、虫が結構つくし、大変なの。作るのが」
「なるほど」
「あの絨毯みたいなバニラ畑……それで、その後、私のお祖父さんの時代に、ヨーロッパ人がやってきたわけ。彼らはバニラが欲しいから。それで、受粉の仕方を教えてくれて(以下、受粉の仕方説明)……そうして教えてくれて、みんな死んだの」
「死んだ?!」
「蚊とか、デングみたいな何かね」
「へぇ、そうですか……」
「でも、大半はね……殺されたの」
「え?」
「え?」
「殺されたんですか?」
「鍋の中に、お金を隠してた人も多かったわ」
「鍋の中!」
「でも、それも全部盗まれて……」
「そうなんですか」
「でも、まだ鍋の中に残ってるかも……」
「へぇ」

当国で、話のサゲは、ほぼ殺人。

その後、親戚と集まって話をしたのですが、近所の行きつけのタコス屋の旦那、
並びに、姪っ子の先生がCovid-19で亡くなっていました。
最近、死ぬ人が多くて困ってる、というのが話題の中心になりました。
教会も遂にシステム化され、教会に電話をかけると、ガイダンス音声が始まり、
死亡の方は1番、ミサの方は2番、洗礼の方は3番のボタンを押してください、とガイダンスが流れます。

ちなみに、どの番号を押しても、最終的には誰にも繋がりません。

親戚の家からの帰り道、真っ暗な大通りを走りました。
「暗いなぁ。この街、緊急事態宣言中じゃないよね?」
「治安が悪すぎるからでしょ……」
「……」

先日、サンペドロスーラ(ホンジュラス)の殺人率を抜いたらしいわが街は、野犬と自転車に乗る若者たちだけが、暗闇で弄り合っておりました。10年前は、普通の街でした。

(先日書きましたミイラカトリシズムは、当国での生活とバザンとエルサントからインスピレーションを得た造語です)

No.32 46ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

ビュロー菊地チャンネル

ビュロー菊地チャンネル

月額
¥880  (税込)
このチャンネルの詳細