Peachのマスク拒否事件についてです。 ・「なぜマスク拒否で降ろされたのか」 前提として、航空会社の機長は「安全阻害行為」が機内で発生した場合、航空法に基づき幅広い権限が与えられています。 「安全阻害行為」は降機を命じられたり、機内で拘束されたりする場合もあります。 http://pilot-blog.net/maskmask/ のリンク先には機内で拘束されている人の写真がありますのでご覧になってください。 客室乗務員に迷惑をかける行為は、社を問わず上のような結果に最悪なるのでご注意を。 Peachの場合は「(マスク非着用の)乗客の対応に著しく時間を要した」という結果を見て、安全阻害行為として新潟空港での降機を命じられてしまったと考えられます。 これは、マスク賛否云々以前の話になってしまいます。 客室乗務員はFSC(日本航空・ANA等)・LCC(JetStar・Peach等)や規模の大小問わず、まずは「保安要員」という位置づけです。 「対応に著しく時間を要した」こと自体を、CAが保安要員としての職務を果たせなくなる原因になると判断し、Peachは乗客に最終的には降機を命じる結果になったといえます。 ・「(マスク未着用の)乗客」について Twitterを見た限りでは「自分の考え」をしっかり主張するタイプの方であると感じましたが、「詰めが甘すぎる」(無用に敵を作ってしまう傾向がある)とも感じました。 機内ではマスクを着用して、飛行機を降りた後でSNSやブログなどで意見を述べる方法であれば、ここまで叩かれず違った展開になったかもしれません。 Peachにマスクが着用できないことを事前に電話で相談する、それができなければ搭乗手続きの時にグランドスタッフへ同様に相談するなどすれば良かったでしょう。 事前に相談すれば、ここまで大きなトラブルにならなかったとみています。 ・「(発達障害等で)マスク着用が難しい方の存在」について マスク着用は熱中症のリスクを高めるという考えは広く浸透していますが、障害や病気を理由にマスクを着けられない方の存在が明らかになってきています。 例えば、発達障害や知的障害の場合は、「感覚過敏」という症状が出てマスク着用が難しい事例があります。 (他にも皮膚炎や呼吸器疾患でマスクが難しいという事例もあります) WHOでは「発達障害、障害、特定の健康状態の子ども」はマスク着用を強制しないという指針を先月示しています。 https://news.yahoo.co.jp/articles/fdf5079e966e0d3c15d1eb13f4d0de95ab0214a7 感覚過敏についてはこちらをご覧ください。 https://news.yahoo.co.jp/articles/c41eeb41de294a3d27a1dce6331b22f84aeec987 子どものマスク着用に関する指針(WHO)はこちらをご覧ください。 例えば、「発達障害」という診断が出ている場合、それを理由に障害者手帳をお持ちの場合は、「マスクが難しいことを航空会社やホテルなどに事前相談」というのも選択肢です。 事前に相談すれば、例えばホテルで食事の際は、部屋で食事をとる方法を代案として示されるかもしれません。 航空会社(定期航空協会)のガイドラインも、マスクが難しい理由(発達障害等)があれば必ずしもマスクを強制する内容にはなっていません(リンク先9ページ目参照)。 http://teikokyo.gr.jp/pressrelease/483/#section-1 「航空分野における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」はこちらです。 Peachマスク拒否事件の影響でマスク警察の主張が強くなり、「発達障害」のようにマスク着用が理由があって困難な人がますます困ってしまう事態を懸念しています。
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Peachのマスク拒否事件についてです。
・「なぜマスク拒否で降ろされたのか」
前提として、航空会社の機長は「安全阻害行為」が機内で発生した場合、航空法に基づき幅広い権限が与えられています。
「安全阻害行為」は降機を命じられたり、機内で拘束されたりする場合もあります。
http://pilot-blog.net/maskmask/
のリンク先には機内で拘束されている人の写真がありますのでご覧になってください。
客室乗務員に迷惑をかける行為は、社を問わず上のような結果に最悪なるのでご注意を。
Peachの場合は「(マスク非着用の)乗客の対応に著しく時間を要した」という結果を見て、安全阻害行為として新潟空港での降機を命じられてしまったと考えられます。
これは、マスク賛否云々以前の話になってしまいます。
客室乗務員はFSC(日本航空・ANA等)・LCC(JetStar・Peach等)や規模の大小問わず、まずは「保安要員」という位置づけです。
「対応に著しく時間を要した」こと自体を、CAが保安要員としての職務を果たせなくなる原因になると判断し、Peachは乗客に最終的には降機を命じる結果になったといえます。
・「(マスク未着用の)乗客」について
Twitterを見た限りでは「自分の考え」をしっかり主張するタイプの方であると感じましたが、「詰めが甘すぎる」(無用に敵を作ってしまう傾向がある)とも感じました。
機内ではマスクを着用して、飛行機を降りた後でSNSやブログなどで意見を述べる方法であれば、ここまで叩かれず違った展開になったかもしれません。
Peachにマスクが着用できないことを事前に電話で相談する、それができなければ搭乗手続きの時にグランドスタッフへ同様に相談するなどすれば良かったでしょう。
事前に相談すれば、ここまで大きなトラブルにならなかったとみています。
・「(発達障害等で)マスク着用が難しい方の存在」について
マスク着用は熱中症のリスクを高めるという考えは広く浸透していますが、障害や病気を理由にマスクを着けられない方の存在が明らかになってきています。
例えば、発達障害や知的障害の場合は、「感覚過敏」という症状が出てマスク着用が難しい事例があります。
(他にも皮膚炎や呼吸器疾患でマスクが難しいという事例もあります)
WHOでは「発達障害、障害、特定の健康状態の子ども」はマスク着用を強制しないという指針を先月示しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fdf5079e966e0d3c15d1eb13f4d0de95ab0214a7
感覚過敏についてはこちらをご覧ください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c41eeb41de294a3d27a1dce6331b22f84aeec987
子どものマスク着用に関する指針(WHO)はこちらをご覧ください。
例えば、「発達障害」という診断が出ている場合、それを理由に障害者手帳をお持ちの場合は、「マスクが難しいことを航空会社やホテルなどに事前相談」というのも選択肢です。
事前に相談すれば、例えばホテルで食事の際は、部屋で食事をとる方法を代案として示されるかもしれません。
航空会社(定期航空協会)のガイドラインも、マスクが難しい理由(発達障害等)があれば必ずしもマスクを強制する内容にはなっていません(リンク先9ページ目参照)。
http://teikokyo.gr.jp/pressrelease/483/#section-1
「航空分野における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」はこちらです。
Peachマスク拒否事件の影響でマスク警察の主張が強くなり、「発達障害」のようにマスク着用が理由があって困難な人がますます困ってしまう事態を懸念しています。