Doc のコメント

>>216
大変に興味深い記事をありがとうございます。

異質性を考慮すると最終感染率を抑えられるというのは、レヴィッド教授の話と整合的であり、数理的にもリーズナブルな結論です。日本の再生産数にそのまま合わせると、10~20%ということになります。模型の細分化をさらに進めると数値はもう少し減ると思われますので、実際には制御なしで10%程度と推測できます。さらに行動変容によって実効再生産数が減らせることが実証的に明らかになっていますので、社会的に過度に制御しなくても10%以内に収まりそうです。

一応、西浦氏を擁護しておくと、リスク評価の際には科学的な検証が済んでいない新しい理論は採用できませんし(後に正しいことが確定しても使えるのはそれ以降)、不明な点は安全側をとって評価しますので、彼の評価が間違っているということは言えません。また、リスクが顕在化しないように規制や対策を行うのが行政の仕事であり、リスク評価と結果の予測は違うので、そこの区別は必要です。

とはいえ、これくらいの研究は事前にやっとくべきなんじゃないのと門外漢の研究者としては感じてしまいます。それだけ研究リソースが絞られてきたということなのかもしれませんが。

記事の最後の方を読むと、やはり西浦氏は感染の制御を最優先に考えているようです。しかし、この考えは彼の個人的なものであり、社会的な合意を得たものではありません。社会的な合意を得ていないにもかかわらず、個人的な考えを社会に押し付けているように見えるため、彼は反発を受けているのだと思いますが、本人に自覚がないのは問題です。

No.223 54ヶ月前

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